「4月の茨城、千葉の母親の母乳から放射性セシウムを検出」、「6月の450人の児童の尿から放射性セシウムを検出」、そして、今回の「粉ミルクからの放射性セシウム検出」である。
まず「子どもと妊婦を守る」
最低限のモラルすら守ろうとしなかった国
放射能に対して、相対的に耐性の弱い子どもや妊婦などに対しては、震災発生直後から、世界中の政府・国際機関などが優先的避難を日本政府に対して訴えてきた。
実際に、米国やフランスをはじめとする各国は、3月18日までには子どもと女性を、政府の用意したチャーター機で国外退避させるなどしている。
また、同時期、日本国内でも、チェルノブイリ子ども基金の創設者でもある広河隆一氏などが声を上げ続け、福島県の各自治体に対して、子どもと妊婦の一時退避を直接、呼びかけ回っていた。
さらに同じ3月、予想される内部被爆の危険を避けるため、グリーンピースなど各国NGOのスタッフなどがやはり現地入りし、食品の安全摂取と検査の必要性を説いて回っていた。
同じくWHOも、福島県内の子どもと妊婦への取り計らいを日本政府に求めていたのも3月のこの時期である。
なにより、こうした有事の場合、子どもと女性を守ることこそが、政府や各自治体の行うべき最優先事項であるのは自明の理だろう。
古今東西、長い人類の歴史の中で、数多くの戦争や天災、大事故などが発生している。
近代以降、有事の際には自国の子どもを守り、女性を救うということが、国家の存亡につながっている最重要事項になっている。