21日の天皇杯4回戦・柏戦に向けて練習する増川(中)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのDF増川隆洋(32)がシングルタワーで天皇杯制覇を目指す。12日は愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで午前、午後の2部練習を行ったが、ストイコビッチ監督(46)は右膝痛のDF闘莉王について「プレーするのは難しい」と21日の4回戦、柏戦(瑞穂陸)欠場を示唆。腰痛のケネディに続く主力離脱だが、増川が空中戦の脅威を維持して、シーズン最後の大会を締めくくる。
攻守の両輪を故障で欠く。グランパスにとってはセットプレーの威力が大幅にダウンすることにつながる。今季J1で19得点を挙げた194センチの得点王ケネディと、6得点の闘莉王。唯一残った191センチの増川に頼るところは大きい。天皇杯では第3の男が、セットプレーの中心になる。
「そういうことになるかもしれない。いるメンバーでやるしかないですからね」と、チーム内での位置づけを認識していた。今季J1では1得点だけだが、守備面でも闘莉王とともに高く分厚い壁となって貢献してきた。
シーズン自己最多の33試合出場。練習後に行われた来季の契約更改交渉では「細かい部分はいろいろありますが、しっかり評価してもらえた」とチーム内でトップクラスの査定に納得。昨年オフに複数年契約を結んでいるため、今季年俸4000万円(推定)から大幅アップは見込めない状況だが、2回目以降の合意に向け、気分は悪くない様子だった。
J1を2位で終え5日間の休養。リーグ戦というメーンイベントが終了した後の公式戦となる天皇杯は、いつも難しい状況になるが「完全にコンディションを落としたわけではないし、もう一度しっかり上げて戦いたい」と増川はネジを巻く。今季は最初の公式戦となった富士ゼロックススーパー杯で、藤本のFKから増川のゴールでスタート。グランパスJ1通算1000得点と節目でゴールを記録してきた増川が、締めくくりでも存在感を示そうとしている。 (木本邦彦)
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