北九州監禁殺人で死刑確定へ
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北九州監禁殺人で死刑確定へ

12月12日 15時20分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

北九州市のマンションで幼い子どもを含む7人が殺害された事件で殺人や監禁などの罪に問われた男について、最高裁判所は、上告を退ける判決を言い渡し、死刑が確定することになりました。

松永太被告(50)は、交際していた緒方純子被告(49)とともに北九州市のマンションで少女を監禁し、平成10年までの2年4か月の間に当時5歳と10歳の子どもを含む緒方被告の親族6人と、少女の父親の、合わせて7人を次々に殺害したとして起訴されました。松永被告は「殺害の指示も実行もしていない」として無罪を主張しましたが、1審と2審は、「金銭を引き出す目的で7人の命を奪った犯罪史上まれに見る冷酷、残忍で凶悪な事件だ」などとして死刑を言い渡し、被告が上告していました。12日の判決で、最高裁判所第1小法廷の宮川光治裁判長は、上告を退け、松永被告の死刑が確定することになりました。共犯の罪に問われた緒方被告は、1審で死刑を言い渡されましたが、2審では「松永被告から虐待を受け、手足として使われていた」として無期懲役となり、検察が上告しています。

松永被告らに監禁され父親を殺害された、当時17歳だった女性は、弁護士を通じてコメントを出しました。この中で女性は「事件のことは忘れられず、殺されたお父さんのことを思い出すと、いろいろな思いが巡ります。殺害されたみんなが受けた苦しみと同じような苦しみを感じ、刑を受けることで罪を償ってほしい」としています。そのうえで、「今は笑ったり、泣いたり、怒ったり、感情を自由に出すことができる。その普通のことが本当に幸せです。過去を振り返ることなく、前を見て過ごしたいです」と現在の心境をつづっています。

また、この事件で松永被告の共犯の罪に問われた、緒方純子被告(49)は、10日、福岡拘置所で面会した弁護士を通じてコメントしました。この中で、緒方被告は「松永被告への判決に関して、私が申し上げることはありません。自分自身に対する最高裁判所の判決を待っていて、判決が出れば、それを粛々と受け止めるつもりです」としています。事件では、緒方被告の妹の夫も殺害されましたが、判決について、被害者の兄は「弟には、これでやっと決まったよと報告したいと思います。弟夫婦がおいやめいを連れてよく遊びに来ていたことを、今でも思い出します。司法の場では決着しましたが、遺族にとっては悲しみが癒えることはなく、区切りでも何でもありません」と話していました。

一方、判決について、松永被告の弁護士は「被告の主張が認められず残念だ」と述べました。