◆阪神・尼崎駅NPO法人「あすなるき」
キムチ、ナムル、韓国風のり巻き(キンパ)……。食卓を囲む顔ぶれは、日本人、韓国人、ロシア人など国籍は多彩だ。
阪神・尼崎駅から徒歩7分という街の真ん中に、韓国人の崔誠祐(チェセイユウ)さん(43)が理事長を務めるNPO法人「あすなるき」がある。夫の平岡照朗さん(38)や、同じく日韓の国際結婚をしたスタッフの浜由希さん(39)らが運営している。
日本人に韓国文化を紹介するとともに、来日する外国人には安い料金で滞在してもらいながら、一般的な観光ルートでは分からない日本の魅力を紹介する。夜はさまざまな国籍の人たちが、食卓を囲み語り合う。ちょっとしたサロンのようだ。
崔さんは、89年に来日。関西学院大学大学院で、高齢者福祉を研究していた。日本の福祉施設を見学に来る学生たちの通訳など、サポートも行っている。来日する外国人は増えたが、「もっと日本のいいところを知ってほしい。日本人としゃべる機会を持ってほしい」と、民家を改築して、今年1月に「あすなるき」を設立した。
公民館でも教えているハングル講座も、ここで開く。参加者同士で韓流スターについてワイワイとおしゃべりしたり、韓国旅行の情報交換ができる場でもある。
ロシア・ブリヤート共和国から長期滞在中のオルガ・シャグラヌアさん(35)は「ここは家みたいで居心地がいい。日本料理だけでなく、韓国料理も一緒に作ったり、勉強になる」と話す。崔さんは「日本と韓国、どちらの良いところもたくさん知ってもらえる場所でありたい」と、人なつっこい笑顔を見せた。【大沢瑞季】
〔阪神版〕
毎日新聞 2011年12月11日 地方版
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