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AviUtlでDVDを綺麗にアップコンバートする 「その2 設定編」



[ソフト] AviUtlでDVDを綺麗にアップコンバートする。「その1 導入編」
[ソフト] AviUtlでDVDを綺麗にアップコンバートする。「その2 設定編」
[ソフト] AviUtlでDVDを綺麗にアップコンバートする。「その3 変換編」

※2009年2月26日追記※
抜けていたプラグインやフィルタの設定を加筆修正しました。フィルタの効果はその1 導入編に書いています。あわせてご覧下さい。

前回の導入編の続き、AviUtlでDVDを綺麗にアップコンバートしてH.264のMP4ファイルとして保存する方法の第2弾です。今回は設定編です。
アプコンの威力を知ってもらうためにまた画像をキャプチャしてみましたが、いかがでしょう。左が何もしないでリサイズしたもの、右が綺麗にアップコンバートしたものです。目の辺りを比較すると分かりやすいですね。




AviUtlの設定
まずは環境設定から。
「ファイル→環境設定→システムの設定」とクリックします。


変更しておいた方が良いのは、「最大画像サイズ」と「画像処理のスレッド数」です。その他は基本設定のままでも構いません。「最大画像サイズ」はフルHDの動画を編集する機会もあるかも知れませんので、「1920×1080」と設定します。「画像処理のスレッド数」では、お使いのPCのCPUのコア数を入力して下さい。Core 2 Duoなどなら「2」と、Core 2 Quadなどなら「4」と入力して下さい。
また、CPUがPentium4以降、Athlon64以降なら、「SSE2を使用」にチェックを入れておきましょう。エンコードが速くなります。


入力プラグイン優先度の設定

どの形式のファイルを優先的に読み込むかを設定します。
「ファイル→環境設定→入力プラグイン優先度の設定」とクリックします。

上から3つ、「MP4 File Reader」「MPEG-2 VIDEO File Reader」「DirectShow File Reader」が重要です。他のプラグインは構いませんが、この3つは画像のような順番になるように設定しておいて下さい。


フィルタ順序の設定
AviUtlではエンコード時に同時で複数のフィルタをかけ、変換した動画に様々な効果を与えることが出来ます。その時に、どのフィルタをかけてから次のフィルタの効果をかけるか、というようなフィルタの順序の設定が出来ます。
「設定→フィルタ順序の設定→ビデオフィルタ順序の設定」とクリックします。


上にあるフィルタほど先に適用されます。俺が他のフィルタも入れているので見にくいですが、前回準備したプラグインを並び替えて、

・Lanczos 3-lobed 拡大縮小
・prefilter for nonlinear sharpen
・nonlinear sharpen
・WarpSharp
・エッジレベル調整 Ver0.7

という順序に設定しましょう。「シャープフィルタ」や「ぼかしフィルタ」などはAviUtlに標準で入っているプラグインです。フィルタを使わないので意味はありませんが、これらよりも準備しておいたプラグインの順序を上にしておく方が精神衛生的に良いかもしれないですね。


Lanczos 3-lobed 拡大縮小の設定
「設定→Lanczos 3-lobed 拡大縮小の設定」とクリックします。

ところで、DVDの解像度は最大で720×480です。4:3や16:9という比率でないので「アレ?」と思われるかも知れません。アナログのテレビでDVDを写すときには解像度は関係なく、テレビ側の走査線数で画面の比率が決まるのです。ところがPCなどでDVDを再生すると、16:9で収録されている最近の番組などは853×480、4:3の番組なら640×480の解像度で出力されます。
今回この記事で使っているDVDは「空の境界 第四章 伽藍の銅」です。16:9の映像ですから、解像度は853×480です。アップコンバートとはあくまで元映像を引き延ばして大きなサイズにするものですから、DVDサイズから1920×1080のフルHDサイズに引き延ばすと、流石にフィルターをかけても画像が汚くなります。今回は720p、1280×720へアップコンバートしてみましょう。


設定画面の一番右下、「指定 ->」というボタンの横の欄に「1280×720」と入力し、「指定 ->」をクリックすると、リサイズする解像度が指定されます。「SIMD」では、「SSE2 整数」にチェックを入れましょう。64bitのOSを使っている方は「SSE2 実数」が良いと思います。
設定が完了したら、右上の空欄にチェックを入れて下さい。こうすることでこのフィルターが有効になります。


prefilter for nonlinear sharpenの設定

「設定→prefilter for nonlinear sharpenの設定」とクリックします。

「weight」とは、フィルタの適用度です。最大の100に設定しておきましょう。「H blur」と「V blur」はそれぞれ横だけ処理をするか縦だけ処理をするか、という項目です。両方チェックを外しておけば、縦横にフィルタが適用されます。
最後に右上の空欄にチェックを入れておいて下さい。有効化されます。


nonlinear sharpenの設定
非線形処理の先鋭化の設定です。
「設定→nonlinear sharpenの設定」とクリックします。


俺はこのような設定で使っています。

「under」とは、質感を自然にする処理です。
「over」とは、輪郭の周りに明るい擬似輪郭を出す処理です。アニメには向かないようです。
「gain」とは、フィルタの適用度です。数値を上げれば上げるほど、効果が強くなります。
「noise」とは、輪郭以外にフィルタの効果を適用しないようにする項目です。
「mask_x」「mask_y」はともにゼロにしておきましょう。


WarpSharpの設定

ぼやけた輪郭線を細くし、画像を引き締めるフィルタです。
「設定→WarpSharpの設定」とクリックします。

「depth」とは、適用する強度です。
「blur」とは、輪郭をぼかす回数です。
「bump」とは、輪郭抽出時の閾値です。
「cubic」とは、3次元補間係数です。
……言葉だけ並べても意味が分からない人も多いでしょうね。俺ももちろんその中の一人ですw


WarpSharpに限らず、全てのフィルタの効果は、設定した数値を読み込んでいる動画にリアルタイムで反映してくれます。まずは変換したい動画を読み込んでから、各設定を自分で少しずつ変えてみて、お好みの設定を見つけて下さいね。これはあくまで俺の設定です。


エッジレベル調整 Ver0.7の設定
輪郭を補正するためのフィルタです。
「設定→エッジレベル調整 Ver0.7の設定」とクリックします。


「特性」とは、輪郭を強調する度合いです。
「閾値」とは、ノイズを無視するレベルです。低くするとノイズに対しても処理を行うので、変換が遅くなります。
「黒補正」とは、輪郭線の黒色補正の度合いです。数値を上げるほど輪郭線が黒くなり、映像が引き締まります。


インターレース解除の設定
AviUtlを起動し、「設定→インターレースの解除」とクリックし、「自動フィールドシフト」を選択します。「ボトムフィールド->トップフィールド」「トップフィールド->ボトムフィールド」は映像がより綺麗になるようにどちらかを選択して下さい。

「自動フィールドシフトの設定」をクリックします。

作者様によっていくつかプロファイルが用意されています。今回テストとして使っているのは空の境界劇場版。アニメですから、「映画/アニメ」をクリック。アニメ向きの設定に変更されます。変更が終わったら設定画面を閉じて下さい。


H.264エンコード時の設定
今回はアップコンバートした動画をH.264で変換してMP4に保存します。
別にDivxなどAVIに変換しても構いませんが、MP4の方がコンテナとして優れていると思います。H.264は今や主流のコーデックですし、いつまでもAVIに頼っていてはダメですね。

まずは何か動画を読み込みます。


「ファイル→プラグイン出力→拡張 x264 出力(GUI)→ビデオ圧縮」とクリックします。


このような設定画面が出ます。

今回のエンコードでは画質を追求していますので、マルチパスは当然、ビットレートは最大値です。音声であるAACの方も、最高ビットレートにしています。
このGUIではプリセットを利用することが出来ます。h264_setting.stgをダウンロードして下さい。左上の「開く」から、ダウンロードしたh264_setting.stgを選択して下さい。設定が反映されると思います。

ここから変更していただかないといけないところが2つあります。
「音声」のところ、「neroAacEnc.exeの指定」で、ダウンロードして保存したneroAacEnc.exeを指定して下さい。
「詳細」タブの「詳細設定」のところ、「スレッド数」の欄を、ご使用のCPUに合わせた数値にして下さい。俺はCore 2 Quad 6600ですから「4」ですね。
他の箇所はいじらなくても良いと思います。もちろんお好みですが。


※2009年6月8日追記
プリセットが読み込めないとのご報告を頂きました。GUIのバージョンが違うせいでしょうか?
俺の設定を公開しておきますので、参考にして下さい。




DVD Decryptorの設定
DVD2AVIはシンプルなソフトなので設定が必要な箇所はありませんが、DVD Decryptorでは設定を変更する必要があります。

メニューの「モード」をクリックすると、「FILE」「IFO」「ISO」の3種類があります。「IFO」をクリックし、チェックが入っているか確認しておいて下さい。


はい、設定は以上です。またまた長くなってしまいました。
これで「その2 設定編」は終わりです。次回は「その3 変換編」の予定です。気長にお待ち下さい。

続きです。
[ソフト] AviUtlでDVDを綺麗にアップコンバートする。「その3 変換編」

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