英語学習と学習理論


音声英語を学習する場合にはニューラルネットワークの学習に非常に似ています。次の学習のどれに当たるのでしょうか。

教師あり学習
小脳は誤差信号をもとにした教師あり学習になります。問題と解答を教えてもらいながら学習します。学校での授業のような感じの学習です。

教師なし学習
大脳皮質は、信号の統計的性質をもとにした教師無し学習に対応します。データだけを受けとりもっともらしく分類したりします。データにはラベル(教師)がついていません。クラスター分析などが当てはまります。

強化学習
この強化学習は大脳基底核と密接な関係があり、報酬をえるための行動などの、目的志向行動を起こし、試行錯誤を繰り返し数値化された報酬信号を最大にする事を目指します。何をするべきかを目指し、学習していく教師なしの学習です。学習はエージェントと呼ばれる学習、意思決定を行うものと環境との相互作用によって進んでいきます。

音声英語学習においては音声がどのようなものであるかにより、学習のスタイルが変わってきます。もし英語の音声は有限の音素、例えば45の音素が存在するのであれば間違いなく”教師あり学習”となります。ネイティブが発音する45の音が先生となり、問題と解答を教えてもらい学習ができる事になります。

45の音素があるならば、学習者の発音と先生の発音の差をソフトで比較する事も可能です。

しかし、現実の音声学の45の音素は調音方法を記述するだけで、その音には何の定義もありません。記述通りに発音するだけでも正しい発音になりません。またネイティブの発音を聞いても、教師となる音(音素)を学ぶ事はできません。つまり問題も解答も存在しないのが英語の発音の学習です。

音声を科学的に分析すると、連続的に変化する音のストリームであるならば、”教師”となる音素が無ければ”教師あり学習”は不可能となります。音声には45の音素が並んでいませから、必然的に”教師なし学習”が必用となります。

そして学習の効果は強化学習により、学習者は最大の報酬を得るために試行錯誤をする必要があります。

ここで注意しなければならないのは言語を習得は完全な”教師あり”でも”教師なし学習”でもないと言う事です。それは発音に関していえば、音素は存在しませんが、音声の特徴を真似る必要があり、その場合には英語ネイティブの音声を真似る必要があり、これが先生となります。

また、表現を覚える場合にも自ら作るのでなく、ネイティブの使う表現を真似るのが最も効果的な学習方法となります。すると表現を覚える場合にも”先生あり学習”となります。

すると英語学習は教師なし学習、教師なし学習、強化学習をそれぞれ目的に合わせて使い分けて学習する必要があります。

そして最も重要なのは学習者が強化学習する場合に試行錯誤をしながらどう最大の報酬(効果)得る事ができるかを探し出す事になります。

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