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世界的な有名な言語学の本で、Linguisticsと言う本があります。この本は、いつ読んでも内容はぜんぜん古さを感じさせません。日本人で英語を教える立場にある方には読んでおいたほうが良いと思います。なぜならば、著者たちは、過去のLinguisticsに関する文献をかなりの数読みこなしていて、そのエッセンスを本書で伝えようとしているからです。
本書は、実質20年近くかけて書かれたと考えても良い、Lingusiticsの入門書です。The
University of
Arizonaで教科書として使用して、先生や学生からも多くのフィードバックを取り入れて改訂を続けています。 Lingusiticsと言うタイトルですが、実質はEnglishの分析を行っています。他の言語がどうなっているかの例として日本語が英語と対照的に取り上げられています。
全体を通して、英語とは何であるか、どうして話者が話したことを聞き手が理解することが出来るのかを解明しようとしています。したがって、本書に書かれていることを充分に身につけることが出来れば、自分の英語の学習の次のステップをどうしたら良いのかと言うヒントがたくさん見つかります。
この本の中で音声を、continuous
streams of
soundと表現しております。日本語にすれば連続的な音のストリームとでも訳せるかも知れません。音声は音のストリームなのです。
言語学の権威ある本はcontinuous
streams of
soundと言っているのですから、音声が音のストリームであるは紛れもない事実です。
音響工学や認知学の権威の元MIT、現ハーバード大のピンカー氏がNHK出版発行の”言語を生みだす本能”上巻でも音声には音素が存在せず、音素が聞えるのは錯覚であると言っております。英語のCATと音声から3つの音素を取り出す事はできません。それはその3つの音素は全体にまたがっているのであり、CATの音声を3つに分けても3つの音素は取り出す事はできないと言っております。つまり人間が錯覚で聞こえているのが音素と言う事になります。
日本の東大の峯松信明氏も私にメールをくれ音のストリームを研究していると伝えてくれました。
犬の鳴き声はワンワンと聞えます。英語文化圏の人にはバウワウと聞えるようです。このワンワンもバウワウも犬の鳴き声にはありません。犬の口を見ればWとBの子音を作れない事が分かります。それでも我々にはそう聞えるのは学習した錯覚なのです。
英語の音声、つまり人間の言語の音声には音素は存在せず、音素があると聞えるのは学習した錯覚なのです。
もし、音声に音素が無いとするならば、発音やリスニングも音素を使わずに音のストリームをベースにする方が効果的でないでしょうか。
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