憂楽帳

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憂楽帳:囲碁と医療

 東京都内にある心療内科クリニック。クラシック音楽が流れる中、待合室に置かれたカヤ製の碁盤、碁石が目をひく。木の持つ癒やし効果を求めて、弦楽器や絵画などと共に置かれた。院長は元学生本因坊の木原廣美さん。「囲碁と医療は親和性が高い。診療手段としても非常に有効です。学会でも、医師が囲碁を覚えて治療に役立てるべきだ、という声があります」と話す。

 囲碁が脳へ及ぼす影響については、昔から論じられてきた。脳障害を持つ人への調査により、囲碁を打つと、空間感覚などをつかさどる右脳が活性化されることが分かった。ぼけ予防にもなるという。ただ、それは患者側の話。医師側にも囲碁が有用とは驚きだ。「序盤戦は初診からの方針、中盤戦は検査結果の推理と具体的な治療にあたる。囲碁の心得が非常に役立ちます」

 テレビゲーム全盛の現代。そのスピード感とリアリティーは圧倒的で、時間がかかる囲碁は隅に追いやられている。ただ、楽しむことだけがゲームではない。礼儀作法を学び、脳に役立つ囲碁の復権を願う。【金沢盛栄】

毎日新聞 2011年12月12日 12時30分(最終更新 12月12日 12時51分)

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