米国ペンシルベニア州の男が休暇を取るために、まだ元気な母親の死亡告知を新聞に掲載し、地元警察に逮捕されたことが11日、分かった。母親の親戚が新聞社に問い合わせて、うそが発覚した。男は真っ当な理由もなく休みを取ることで解雇されるのを恐れたという。日本でも親類が死んだと偽り、職場を休んだ公務員が懲戒処分になった例はあるが、逮捕には至っていない。
休みがほしいからといって、自分の母親のウソの訃報を新聞に掲載して忌引を取得した男が、御用となった。
地元警察によると、男は米ペンシルベニア州に住むスコット・ベネット容疑者(45)。世間を騒がせたとして治安紊乱(びんらん)の疑いで捕まった。
死亡記事は地元のジェファソニアン民主党新聞に掲載され、この記事を読んだ母親の親類が新聞社に電話で問い合わせて発覚。さらに母親自身が新聞社に出向いて、健在であることを証明したという。
同新聞編集者のランディー・バートレー氏は「印刷開始時までに葬儀の予定の確認は取れなかったが、善意で死亡告知を掲載することにした。母親もそのことについては理解してくれている」と話している。
地元警察によると、ベネット容疑者は正当な理由もないのに休みを取ることで、職場から解雇されるのを恐れたと釈明しているという。
もし日本で同様のウソの死亡記事を新聞に掲載したらどうなるのか。刑法に詳しい板倉宏・日大名誉教授は「新聞にウソの訃報を載せるだけなら犯罪とはいえない」と指摘する。
ただ公務員の場合、親類が死んだとウソを申告して忌引を取得したとして、懲戒処分となる例は多い。たとえ罪には問われなくとも、日本の良い会社員はくれぐれもマネをしないように!?
(紙面から)