名古屋グランパスは11日、21日の天皇杯4回戦の柏戦(瑞穂陸)に向けて全体練習を再開した。3日のJ1最終の新潟戦(東北電ス)で腰部挫傷を負ったFWジョシュア・ケネディ(29)は室内での治療に専念。ドラガン・ストイコビッチ監督(46)とも相談し、柏戦を欠場し、近日中にオーストラリアへ帰国することになった。
ストイコビッチ監督を中心にした円陣の輪に、ケネディの姿はなかった。9日からクラブハウスには毎日来ているものの、この日も室内での治療に専念した。
腰痛は持病だが、新潟戦では前半中に2度の接触プレーがあり、違和感を覚え始めた。後半には走るのもつらいほどの痛みになっていた。
「1−0とリードしたこともあったので、少し動きをセーブした」と話すほど、大きなダメージを受けていたケネディ。試合後は入念なケアを受けたが、歩くのも困難な状態だった。本来なら2年連続得点王の偉業に祝福を受けるはずの6日のJリーグアウォーズも欠席。新潟からの帰宅にも相当苦労した。「家にいても、テレビを見ることくらいしかできなかった」と振り返った。
この日、ストイコビッチ監督と話し合って、天皇杯を欠場し、豪州に帰国して治療を続けることになった。ただ現状は飛行機での移動もリスクが伴うほどの痛みがあるため、しばらくはクラブハウスで治療を続け、患部の状態が落ち着き次第、帰国する。
ケネディは「今年はサマークリスマスだよ」と寂しそうに笑った。来季へ向けた練習や2月の春季キャンプへの参加を聞かれると、「そこまでには治すよ。大丈夫」と笑顔で約束した。
グランパスは4回戦以降の天皇杯を、エースストライカーを欠いた戦いとなる。しかし、主将のGK楢崎は「みんなやるぞという気持ちでいるでしょう」と話し、柏へのリベンジのチャンスにモチベーションは高い。エースストライカーの思いも背負って、チーム一丸で天皇杯を取りに行く。 (伊東朋子)
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