【上海=今村太郎】中国税関総署が十日発表した十一月の貿易統計によると、輸出は前年同月比13・8%増で、伸び率は三カ月連続の鈍化となった。欧州債務危機の影響による輸出の減速ぶりが鮮明になった。
輸出額は千七百四十四億六千万ドル(約十三兆四千億円)。伸び率は、春節(旧正月)の大型連休を受けて落ち込んだ今年二月を除けば、約二年ぶりの低水準だった。
中国では、最大の輸出先である欧州の経済の低迷により、輸出産業の受注が激減。今後も輸出の鈍化は続くとみられ、中小企業の倒産など影響がさらに広がる可能性がある。
貿易黒字は百四十五億二千万ドルで、輸出鈍化を受けて十月の百七十億三千万ドルから減ったものの、八カ月連続で百億ドルを上回った。
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