中川文部科学大臣は、神戸市を訪れ、衆議院決算行政監視委員会が経費の圧縮を求めている次世代スーパーコンピューター「京」を視察したあと、記者団に対し、文部科学省としては、関連予算を縮減する考えのないことを明らかにしました。
次世代スーパーコンピューター「京」は、理化学研究所と富士通が、総開発費1100億円余りの国家プロジェクトとして、共同開発しているもので、研究者などが参加する国際会議が発表している計算速度の世界ランキングでは、先に2期連続で世界一を獲得しています。「京」の開発事業を巡っては、衆議院決算行政監視委員会が、国会として初めて行った「事業仕分け」の結果をふまえ、8日、経費を圧縮することなどを政府に求める決議を採択しています。これを受けて、中川文部科学大臣は、10日、神戸市の理化学研究所にある「京」を視察しました。このあと、中川大臣は、記者団に対し、「『京』のこれからの目標は、これだけ投資したものをいかに広くユーザーに開き、成果を挙げていくかという運用面であり、そこをしっかりやっていかなければならない」と述べました。そのうえで、記者団が、「予算は縮減しない方向性なのか」と質問したのに対し、中川大臣は、「そうだ」と述べ、文部科学省としては、関連予算を縮減する考えのないことを明らかにしました。