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消費税増税の翼賛包囲網 - 神野直彦、金子勝、湯浅誠、 |
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消費税増税の問題について、マスコミは毎日のように報道を流しているが、論議は全く盛り上がっていない。報道が、消費税増税を既成事実として前提したもので、賛否を問う内容になっていないからだ。何年も前から同じパターンだが、社会保障の話とセットで、医療や年金の財源のために引き上げるという説明が繰り返され、異論を差し挟む余地がない報道になっている。特に政府公報であるNHKがその論調で塗り固まっていて、大越健介のNW9に典型的なように、消費税増税反対など論外という空気が極まっている。賛否の論議はすでに終わったという態度であり、論議を戦わせて視聴者に見せる配慮が全くない。その影響からか、マスコミ報道の中に反対論の声が全く上がらず、公論として、消費税増税反対の立場は消えた形になってしまっている。ところが、実際には、世論は消費税増税に反対が多く、大越健介でも「世論の賛否は拮抗している」と言っている。世論の賛否が拮抗しているのに、反対の議論がマスコミに出ない。マスコミ報道の構図において、消費税増税反対派は、恰も最後まで駄々をこねている非常識でわがままな幼児の集団の如く看做され、大越健介がこれでもかと「正論」を吐き重ねて説得し、「理解を求める」というフィクションが仕立てられている。それがまかり通るのは、現実に反対派の論陣が弱いからだ。
by thessalonike5 | 2011-12-08 23:30 | Trackback | Comments(5)
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