積み替え貨物でにぎわい見せる釜山港

 11月24日午前11時、慶尚南道昌原市アンゴル洞の釜山新港にある韓進海運ターミナルを訪れた。この日、韓進海運所属の8600TEU(1TEUは6メートルのコンテナ)級のコンテナ船「ニューヨーク号」が入港していた。中国・上海を出発した同船は、釜山港を経由して翌25日の早朝4時、米ロングビーチ港に向け出発する予定になっていた。

 ニューヨーク号の接岸と同時にターミナルの自動船積みシステムが、快音と共に稼動し始めた。シャトルトラクターが積荷場に置かれたコンテナをニューヨーク号の前まで運ぶと、高さ83メートルのクレーンがこれを船積みする。

 ただし、同日釜山港で船積みされた1950個のコンテナのうち、韓国からの純粋な輸出量は700個にすぎなかった。残りの1250個は、中国や東南アジアなど海外から運ばれてきた、いわゆる積み替え貨物だった。これらの貨物は、中国や日本、東南アジアで小さな船に載せられて1、2日前に釜山港に到着。米国に向かうニューヨーク号を待っていたというわけだ。船積み作業の様子を見守っていたニューヨーク号のイ・スンギョン船長は「これまでとは違って、最近では釜山港に立ち寄ると、船積み可能積載量の95%まで積み込むことができる」と話した。

 欧州の財政危機が長引く中、世界経済は停滞しているが、釜山港は例外ともいえる好況を迎えている。韓国の主力輸出市場である先進国が経済的に停滞している一方で、輸出港である釜山港には先進国に向かう東北アジアの積み替え貨物が増えている。

■今年に入って増えた釜山港での積み替え貨物

 釜山港の10月のコンテナ物流量は188万1000TEUに上り、昨年同期に比べて19.7%増となった。世界的な不況の中で物流量が2ケタの伸びを示すのは、異例のことだ。釜山港は、上海、シンガポール、香港、深センの世界5大港湾のうち、今年の成長率が最も高い。

 この業績に最も貢献しているのは、中国や日本から入って来る積み替え貨物だ。先月釜山港が処理した積み替え貨物量は、昨年同月に比べ30.7%増の68万2000TEUだった。長引く不況の影響で同期間に釜山港からの輸出高が8.0%増にとどまったことを考慮すれば、大きな飛躍といえる。今年1月から10月にかけ、釜山港のコンテナ物流量に占める積み替え貨物の割合は45.2%と、歴代最高水準を記録している。

扈景業(ホ・ギョンオプ)記者
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