【萬物相】韓国人のイメージ100年

 「上流階級は不正でまひし、無駄食いしている。出世への道を閉ざされた中産階級にはエネルギーを発散できる職場が見つからない。下層階級は飢え死にしない程度に働く」。英国の地理学者イザベラ・ビショップ氏が『韓国とその隣国』に書き記した朝鮮王朝時代末期・大韓帝国時代の韓国人の姿だ。ビショップ氏は1894年から97年にかけて4回も来韓し、韓国の問題点として三つのことを指摘した。国家システムの崩壊、官僚の腐敗、寄生虫のような両班(貴族)階級だ。

 同氏は、韓国人が最も劣った民族で、その状況が改善される見込みはないと考えた。そうした中、ロシアの自治区で韓国人の移住者に出会った。「政府の干渉なしに村を興そうとしている彼らは美しく活気に満ちあふれ、豊かに見えた。国を後にした男たち特有のしょげた姿はみじんも感じられなかった。疑心と怠惰、自分よりも恵まれた人をねたむ奴隷根性は、主体性と独立心に変わっていた」。さらに「母国の韓国人たちも、正しいことを行う政府の下で生計の保護を受けることができれば、真の市民として発展するだろう」とつづった。

 日本占領軍司令官のダグラス・マッカーサーは1947年、次のように話した。「韓国人は日本人と違って、民主主義を行う用意ができていない。韓国人には権威的で力強い統治者が必要だ」。さらに、血生臭い韓国戦争(朝鮮戦争)を経験することで、韓国に対する世界の人々の否定的な見方はいっそう深まりを増していく。しかし、戦争ドキュメンタリー作家のジョン・トーランド氏はピュリツァー賞を受賞した『大日本帝国の興亡』で「韓国人は嵐のように強烈な性格を秘めている」と表現した。

 グーグルのエリック・シュミット会長が数週間前、ソウルを訪問し、個人のホームページに1枚の写真を掲載したという。ソウル市江南区大峙洞のポスコ・センター1階トイレの便器の上に掲げられていた「勝つことが全てではないが、勝ちたいと思うことは重要だ」という言葉を撮影した写真だった。同会長は、韓国人のチャレンジ精神に感銘を受けたかのように「韓国人は1950年代に勃発した激しい戦争から立ち上がり、経済の真の奇跡を生み出した」と書き込んだ。

 世界的な投資家ウォーレン・バフェット氏は今年初めに訪韓し「韓国は成功するほかない多くの要因を持った国」と語った。ビル・ゲイツ氏も11月4日に開催された主要20カ国・地域(G20)首脳会議で「韓国は支援される国から支援する国へと変身した唯一の模範例」と話した。これらの言葉を聞くと、ビショップ氏が110年前に韓国人の原型を「永遠に幸せを享受し栄える民族」と表現したのを思い出す。ところが、当の韓国人だけが、鏡に映った自分たちの姿を醜く感じているようで、なんだかもどかしい。

呉太鎮(オ・テジン)首席論説委員
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