政治【高木桂一の『ここだけ』の話】「もっと国民のために汗をかきたい…」自衛隊員の叫びを聞け! “終わりありき”の除染作業+(5/5ページ)(2011.12.11 17:00

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【高木桂一の『ここだけ』の話】
「もっと国民のために汗をかきたい…」自衛隊員の叫びを聞け! “終わりありき”の除染作業

2011.12.11 17:00 (5/5ページ)放射能漏れ
自衛隊による警戒区域の除染活動の拠点となる場所の除染活動の様子が報道陣に公開され、福島県・浪江町役場前では、側溝にたまった高線量の落ち葉などを撤去する作業などが行われた =8日午前、福島・浪江町(大西史朗撮影)

自衛隊による警戒区域の除染活動の拠点となる場所の除染活動の様子が報道陣に公開され、福島県・浪江町役場前では、側溝にたまった高線量の落ち葉などを撤去する作業などが行われた =8日午前、福島・浪江町(大西史朗撮影)

 しかし、「除染労力」が問題として残った。放水洗浄や表土はぎ取り、汚染土の運搬…。とてもではないが、一つのNPO、あるいは居住している住民だけでまかなえる労力ではない。だからこそ自衛隊が、これらの除染作業を協力するべきなのだ。

 今回の除染作業について、防衛省内局幹部は「自衛隊は特殊な装備と技術を駆使して除染作業を行う。自衛隊しかできないことだからこそ任務として請け負った」と話すが、この考えは、現場を知る自衛官や部隊とは決定的に違う。陸自幹部はいう。

 「国民が求めている除染には、特別な技術など必要ない。ホットスポットは『もぐら叩き』のようにみつかるが、労力がなくて放置されたままだ。われわれ自衛隊がホットスポットの除染作業をサポートしたい」

 いきなり半径20キロ圏内の除染するより、もっと遠巻きから除染を進め、徐々に半径を縮めていくという作業こそが、最も住民に望まれる方法だろうし、除染作業に参加する自衛官も望むところだろう。

「引き際」ありき

 なぜ、政府はホットスポットの除染に自衛隊を参加させないのか。ささやくのは防衛省内局幹部だ。

 「常に自衛隊の引き際を考えざるを得ないからだ。おそらく、これらの除染作業には終わりがなく、際限なく続くものとなるだろう。半径が0キロメートルになる日は、100年後になるかもしれない。本格的に除染に手をつけたら、組織として、それまで自衛隊を派遣し続けなければならないと懸念している」

 つまり、自衛隊は半径20キロ圏内での約2週間の除染作業でお役ご免とし、お茶を濁す腹づもりらしい。

 100年に1度あるかないかの大災害から日本を再建していくには、自衛隊の力を有効かつ存分に生かすしかない。今からでも遅くない。除染作業への自衛隊の本格活用を、野田佳彦首相に求めたい。

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自衛隊による警戒区域の除染活動の拠点となる場所の除染活動の様子が報道陣に公開され、福島県・富岡町役場前ではモミジが紅葉する中、土の表面をはぎ取る作業などが行われた =8日午後、福島・富岡町(大西史朗撮影)
福島県浪江町役場の庁舎周辺で側溝の除染作業をする自衛隊員=8日午前

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