政治【高木桂一の『ここだけ』の話】「もっと国民のために汗をかきたい…」自衛隊員の叫びを聞け! “終わりありき”の除染作業+(3/5ページ)(2011.12.11 17:00

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【高木桂一の『ここだけ』の話】
「もっと国民のために汗をかきたい…」自衛隊員の叫びを聞け! “終わりありき”の除染作業

2011.12.11 17:00 (3/5ページ)放射能漏れ
自衛隊による警戒区域の除染活動の拠点となる場所の除染活動の様子が報道陣に公開され、福島県・浪江町役場前では、側溝にたまった高線量の落ち葉などを撤去する作業などが行われた =8日午前、福島・浪江町(大西史朗撮影)

自衛隊による警戒区域の除染活動の拠点となる場所の除染活動の様子が報道陣に公開され、福島県・浪江町役場前では、側溝にたまった高線量の落ち葉などを撤去する作業などが行われた =8日午前、福島・浪江町(大西史朗撮影)

 いまだ世界各国において、核で汚染された地域を100%除染された事例はない。除染された不毛地帯で人が居住している事実もない。ところが、政府は今回の除染作業の対象を半径20キロ圏内の警戒区域とした。

 福島第一原発事故後の5月頃、民主党政権は半径30キロ圏内を国有化する方向で調整をしていた。党内ではその対象を50キロ圏内に広げるべきだとの声も出ていた。背景には「この地域は未来永劫、人が住むことができない可能性が強い」(民主党中堅)という認識があった。

 にもかかわらず、政府はこの場に及んで、30キロ圏内はおろか20キロ圏内まで完全に除染できると思っているのだろうか。仮に政府が20キロ圏内をも除染して人が住めるようにする意思があるならば、それは世界初の試みである。除染を任された自衛隊も民間業者も果敢に取り組むであろう。

 しかし、政府の目的が分からない。周辺自治体のご機嫌とり、その場しのぎの除染作業を決定したに過ぎないのではないか。防衛省内から「自衛隊は便利屋ではない」と批判が出るのは当然だろう。

忘れられない「ありがとう」の一言

 陸自中堅隊員はこう語る。

 「われわれ自衛隊員の多くは、除染作業に参画したい。でも、それは今、現実に人が住んでいる地域の除染だ。震災復旧に参加した自衛官の多くは、任務に誇りとやりがいを感じている。メディアは人命救助した自衛官や放水冷却作業を行った自衛官らを華々しく報じているが、派遣された大部分の自衛官の姿を伝えているとは言い難い」

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自衛隊による警戒区域の除染活動の拠点となる場所の除染活動の様子が報道陣に公開され、福島県・富岡町役場前ではモミジが紅葉する中、土の表面をはぎ取る作業などが行われた =8日午後、福島・富岡町(大西史朗撮影)
福島県浪江町役場の庁舎周辺で側溝の除染作業をする自衛隊員=8日午前

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