2009年12月7日月曜日

文学フリマとエロメール、あるいはちんポジ修正

 昨日6日日曜日の話。

 一昨日の晩は珍しく午前1時半という早い時刻に眠くなったので、これで夕方起床なんていう狂った生活サイクルともおさらばだと思いながら床についたら午前4時半に目が覚める。おそらくこの間の睡眠は夕方起床サイクルにおける昼寝的なものだったと思われるが二度寝できそうにないので録画してあった『ほえる犬は噛まない』を鑑賞。
ほえる犬は噛まない [DVD]
 『母なる証明』が公開中のポン・ジュノ監督の長編デビュー作だが、俺は趣味は映画観賞といいながらももう今世紀の初頭ぐらいからまともに新作を追いかけてないので初見。だらしないことに、ジュノ監督作品は他に『グエムル 漢江の怪物』しか観てません。せめて『殺人の追憶』ぐらいは観ておいてしかるべきだろうに、もう趣味はなんですかと訊かれても映画観賞などと答えてはいけないのではないか。
 それはともかく『ほえる犬は噛まない』は面白かった。安っぽい栄光を妄想しながら人生の転機が訪れるのを待ってるペ・ドゥナのキャラクターを情けない人とあざけるのは簡単だが、でもああいう気持ちって誰でも持ってると思う。もちろん犬殺しのイ・ソンジェもまた同じく。基本的にコメディであり、いよいよ出番が来たときに飛び出すペ・ドゥナに団地の屋上から声援を送る脳内応援団にはぐっと来ざるを得ないが、どちらも『タクシードライバー』のトラヴィスにも通じる鬱屈を抱えてるわけであり、早朝から身につまされる映画を観てしまった。

 映画観終えて飯食って、サンジャポといいとも増刊号を交互にぼんやり見てたらいいとものテレフォンショッキング総集編で石原慎太郎都知事のCM中談話が流れる。東京オリンピックの思い出話をしながらマラソン選手円谷幸吉の話が出てきたのはいいのだが、そこで石原都知事が「(オリンピック後に円谷が)自殺してしまうんですよ」みたいなことを言った瞬間に客席から拍手が。CM明けだったので機械的に合図が出て拍手、という流れなんだろうけどタイミングとしては最悪。生放送じゃないんだからこういうところは編集しとけよ。翌日の田母神俊雄とタモリがお互いにタモちゃん云々発言したところで興味を失いテレビ消す。

 洗濯をしながら、そろそろ散髪した方がいいよなあ、もみあげもじゃもじゃだし、なんてことを思いながら最先端の携帯電話iPhoneを使って最先端のメディアであるTwitterを眺めていると本日は文学フリマの開催日であることを知る。最先端のツールとメディアを使う最先端の流行キャッチ能力に長けた好人物であると自画自賛する私でありながら、旧来のアナログメディアの中でも特にアナログ感の強い紙と文字の同人誌を売買するイベントを楽しむ方々のなんと羨ましきことか。というか普通に活字好きなら気になって当然だよな。ということで散髪は後日にまわし、知人ゼロかつ同行者ゼロでありながら開催地である蒲田へ一人赴く。
 会場でかい!そして突発的に足を運んだだけに、どういうモノが出品されていてどういう基準で作品群商品群を手にしたらさっぱりわからない!ので、Twitterで知った以上は俺がTwitterでフォローしている方々のモノをまずは見てみようと、パンフレット片手にブースを探して場内を歩きパラパラっと見て、以下御三方の四点を購入。

@momomiyam 『屋上キングダム
@gakujin 『Asi』第2号
@toyozakishatyou 『書評王の島』VOL.2 & 3
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 とはいえ物凄く人見知りする俺が面識のないみなさんにいきなり声をかけるなんて到底できるはずもなく、単なる通りすがりの人としてとりあえず一回り。が、会場隅っこで一休みしてたら書評王の島ブースから購入者にはトヨザキ社長がサインしますという声が聞こえてきて、ああもうサインもらうしかない、という勢いで再度場内を歩いて上記御三方全員じゃないけど少々御挨拶。挨拶できなかった方は申し訳ありません。
 ちなみにトヨザキ社長は文体及びミステリチャンネルでの書評番組を見る限りの豪快な雰囲気から割と大柄な人かと勝手にイメージしてたら俺(161cm)より小柄で、大森望『狂乱西葛西日記20世紀remix』の初登場シーンで「98パーセントはおやぢです」と自称してるとのことだけど、そのキャラと相俟ってこういう女性が好みな男は結構多く存在するのではないかと思いました。と、考えてみれば物凄く失礼かもしれないこと書いてますね俺。すいません。

 ほんとはもうちょっと丁寧に見て回ればいくらでも興味惹かれるものはあったと思うのだが、とにかく今は金がないのと、いい年して(というか若い頃以上に)自分で自分の興味のあるテーマをきちんと絞れてないので早々に撤退。しかし参加してる人たちはやはりとっても楽しそうであり、俺もなんか出してみてえなあ、と思ったりもする。しかし今書いたように興味ある分野がよくわかんなくなっちゃってるので、創作だろうが批評だろうが参加する際の題材の方向性決めの段階でとっちらかって挫折しそうな気がしないでもありません。あとやっぱり、俺の友人知人に誘ったら本気で乗ってくれる人がいるかどうかってのもある。もっとも、インディーズ文化は学生時代の自主映画しか直接触れてないので、知らないがゆえの敷居の高さを勝手に感じてるという可能性もありそうだけど。個人で出してる人も少なからずいるみたいだし。

 ということで次の用事のために新宿に向かうが、その途中で本日は母校の映画研究会の定期上映会の日だったことが発覚。えーと、まあいいよね、俺が行かなくてもさ。というか先日の学祭には行ったけど、現役で入学した一年生なんてもう俺と20歳ぐらい年齢差あるんだし、それ以外で交流ないからさ、おじさんOBに来られても困っちゃうよな、行かなかったけど別にいいよね(でも俺より上の先輩が観に行っていたらしい)。

 新宿到着後、次の予定まで時間があったので、うどん屋と本屋と喫茶店で時間つぶしてからアルタ前で同期女子と待ち合わせてロフトプラスワンへ向かい、現場で後輩女子と後輩のマイミク男子と合流、『赤ペン瀧川先生のエロメール添削スライドショー Vol.5』鑑賞。昼間は上映会があったのに文学フリマに行き、夜は夜で友人TSUNEGLAM SAM率いるYOUNG PARISIANのライブのお誘いもあったのだが、申し訳ない、ロフトプラスワンのイベントの方が先に予定決まってたのよ。そのうちまたライブ行くからどうぞよろしく。
 そんでスライドショー、タイトルから想像できるようにエロスパムメールにいちいち反応してその内容に突っ込みを入れたり、出会い系サイトで明らかに業者としか思えない女の子相手にやりとりした不毛なメールを自らのトークで紹介し続けるイベントでした。同期女子と後輩女子が以前から足を運んでいて話を聞いていたのでだいたいどういうものか前もって把握してたつもりだったのだが、もっと静かにじわじわ笑わせるタイプの芸かと思ってたらテンション高めで、本人はどえらく体力がいるに違いない。面白かったのでこれからも見に行くと思うからがんばって!とりあえずmixiコミュには入っておきました。
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 それにしても瀧川先生、業者相手のメールやりとりも出会い系サイト経由だけにお金がかかって大変そうだが、最近は知名度もアップしてきて売れてきてるっぽく、なんと俺の前の席にはここで名前は出さないが子役出身の有名な実力派女優さんが客として来ており、俺今まで特に興味なかったけどホンモノの女優さんってやっぱり間近で見るとほんと美人でかわいいよね、青い鳥が運んでくれた奇跡の人との出会い!といった気分です。
 で、イベント最後に瀧川先生からお客さんにプレゼントのお知らせ!一人一つずつTENGAあげちゃう!というところで子役出身実力派女優(20代前半)が爆笑してるのを俺は見逃さなかった。それに引き換え隣に座ってた後輩女子(36)は「TENGAってなあに?」だなんてカマトトぶってんじゃないよ!
 あと、同期女子が先日ディズニーシーに行ったついでにお土産買ってきたからみんなにあげるね、と手渡してくれた塩キャラメルがなんだかコンドームっぽい箱に入ってるなあと思ったのでそのまま言葉にしてしまい、同期女子がもしも気分を害してしまったのならこの場を借りて謝罪します。大変もうしわけありませんでした。
 なお、いただいたTENGAはこの日のイベントの記念品であり、まさか実際に封を開けて使ってしまうなんて不遜なことをするわけなどないので、「使った?使った?」なんて愚問の極致ともいえる質問なんてしないでくださいね。「使ってないんなら見せてみろよ」なんて下らない挑発に乗るはずもなく、本気でそういう疑問を抱いている人に対してはそれほどに俺のことを信じられないのか、だったら縁を切ったって構わないんだぜ、とお伝えしておきたい。
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 イベント終えて会場を出るとまだ10時前だったので四人で喫茶店へ。そこで語られた同期女子の悩みというのがなかなか深刻なのでここでお伝えしておく義務があるかと思い以下に記す。
 彼女はしばしば、一緒にお茶を飲んだり飯を食ったりしている男性に、目の前で男性器の位置修正を行われるらしい。しかもある特定の男性ではなく、様々な男性が彼女の前でそのような行為をするとのこと。
 それは本人的にはさりげなくやろうとしているのに、同期女子が気付いてしまう、あるいは過敏にそのように想像してしまうのではないか、と問うたところそうではなく、「ちょっとちんこのポジションが悪いから直すね」とわざわざ宣言した上でベルトを外して修正したりする人にこれまで幾人も出会ったのだという。
 であるからして、男性とはこのような生き物なのか、だとしたらやめるべきではないか、と彼女は主張するのだが、しかし私は女子の前でそんなことなどしたことなく、また後輩女子も誰にもそんなことされたことがないといい、後輩のマイミク男子も男同士でいるときですら普通はそんなことわざわざばれるようにはしないと証言。
 念のため確認すると俺は同期女子の前でポジション修正してたことはないとのことで、ということは彼女の一部の知人男性がそういう人なのだろうということに結論が出そうになるが、でもそういうことをする男性には複数、というか結構多くの人数に出会っているという。では男性のある割合にそういう人間がいるのか。だとしたら同期女子以外の我々三人もそういう男に出会ったことがあってもいいはずだが、三人ともそんなのに出会った記憶はない。なにゆえ同期女子ばかりがそのような目にあうのか。
 四人で頭を突き合わせて考えるに、おそらく同期女子が何か男性の気を緩めるようなモノを出しているのではないか、という話になった。きっと口説かれているんじゃないのか、どうだ、と問うが、同期女子によれば一切色っぽい関係を迫ってこない男性が平気で自分の前でちんポジ修正を宣言の上で行うケースが多々あるという。もう全くわからない。
 謎だらけでヒントがない話題というのはいつしか煮詰まってオカルト色陰謀論色を強めていくものであり、結局この日出た結論としては、同期女子の前でちんポジ修正を行う男性はみな、彼女も想像していないどこかで秘密結社的につながっており、彼女の目の前でちんポジ修正を行うのには秘密結社における暗号としての意味や意義が存在しているに違いない、ということで終電が近くなったので解散。

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