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みんなで守る 地域の湯
北海道
種川(たねかわ)温泉

■放送日: 2010年4月3日

北海道今金町の山あいにある日帰り温泉。 高齢者を中心とした地元住民が町から委託を受けて温泉を管理している。
 
 道南の今金町、山あいにある町営の種川温泉。無色透明のナトリウム塩化物泉は、よく温まって湯冷めしないと評判、地元の高齢者は毎日のように通ってきます。地元に住む井村ミツヱさん(86)も、種川温泉を愛する常連客の一人。近所の友達と昼食持参でやってきて、半日のんびりと過ごすのが何よりの楽しみです。
 種川温泉は町営の施設ですが、管理をしているのは地元、種川地区の住民たちです。ボイラーの操作、受付、清掃などの業務を、20人が交代で担当しています。こうした住民による管理が始まったのは3年前。町が赤字経営の続くこの温泉の廃止を検討したのがきっかけでした。存続を願う住民たちが、業者の代わりに温泉の管理をすることを申し出たのです。
 農業を営む長崎ヨネさん(73)は、住民による温泉の管理が始まったころからのメンバーで、自身も温泉の常連客です。最初は慣れない仕事に戸惑いもあったといいますが、今では常連客の入浴時間をほとんど覚えているほどになりました。いつもの時間になっても風呂から上がってこない人がいると、浴室まで見に行きます。こうしたきめ細やかなサービスがお客さんにも評判です。
 去年から温泉の休憩室で手打ちそばの販売もはじめました。種川地区の農家で昔から愛されてきた家庭の味をお客さんにも味わってほしいという思いが込められています。打ちたて、ゆでたて、つなぎなしの「10割そば」は大人気で、週二回の販売日には、よその地域からも大勢のお客さんがやってきます。
 地域の憩いの場、種川温泉。住民に愛され、住民が支える小さな温泉です。

語り:原 大策  アナウンサー

北海道今金町、山あいにある種川温泉。地元の高齢者が毎日のように通う、町営の小さな温泉です。無色透明のナトリウム塩化物泉は、よく温まって湯冷めしないと評判です。 温泉の常連客、井村ミツヱさん。毎日近所の友達とお昼ごはんを持って温泉に出かけます。湯あがりに休憩室でのんびりと食べながらおしゃべりするのが何よりの楽しみです。

温泉を管理するのは、地元、種川地区の住民たちです。ボイラーの操作、受付、清掃などの業務を、20人が交代で担当します。 地元で農業を営む、長崎ヨネさん。最初は慣れない仕事に戸惑うこともありましたが、今では常連客の入浴時間をほとんど覚えているほどで、お客さんに頼りにされています。

いつもの時間になっても風呂から上がってこない人がいると、浴室まで見に行きます。こうしたきめ細やかなサービスがお客さんに評判です。 去年からは、手打ちそばの販売もはじまりました。週二回の販売日には、よその地域からも大勢のお客さんがやってきます。

DATA

泉質 ナトリウム━塩化物温泉 ゆう出温度32.2度(ボイラー加温)
効能 リウマチ性疾患、運動障害、切り傷、慢性湿疹および角化症など
宿泊 日帰り入浴のみ
    入浴料:大人 420円  小学生 140円  幼児 70円
    営業時間:午前10時~午後9時 (平日)
           午前 9時~午後9時 (土日祝)
    休館日: 毎週木曜日
観光 ▼後志利別川(しりべしとしべつがわ)・・・今金町を東西に流れる清流。全国の一級河川で行われる水質調査で、過去に10度「日本一きれいな川」として認定されています。サクラマスなどきれいな水を好む魚が多く生息しています。
▼今金男爵(いまかねだんしゃく)・・・昼夜の寒暖差が大きい今金町はジャガイモの生育に適しています。今金男爵はデンプン質をたっぷり含んでおり、甘味が強くほくほくした食感が特徴です。町内の民宿・旅館・料理店で今金男爵を利用した料理を提供しています。
▼ピリカ旧石器文化館・・・ピリカ遺跡は今から約2万年前、旧石器時代の遺跡です。国の重要文化財に指定されている珍しい玉やメノウ石製のやり先形尖頭器(せんとうき)が見つかっています。ピリカ旧石器文化館では、これらの石器や発掘作業現場を再現したものを見ることができます。
交通 マイカー:道央自動車道 国縫ICから国道230号線をせたな町方面に 車で約30分 
公共交通機関:JR函館本線 長万部駅から函館バス「上三本杉行き」 種川温泉入口で下車し、そこから徒歩で約1分
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お問い合わせは

今金町 まちづくり推進課 TEL:0137-82-0111
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