- ゲスト講師
小嶋ルミ先生 - 女性パティシエとしての草分け的存在。大学卒業後、会社員を経て東京製菓学校を卒業。
新宿中村屋にて横溝春雄氏に師事。1987年に武蔵小金井にて「オーブン・ミトン」を開店。
素材が生きた優しい味わいが人気。
2006年より「オーブン・ミトンカフェ はけの森」として営業。
「おいしい生地」文化出版局 「決定版お菓子レッスン」柴田書店など書籍多数。
お菓子作りの本質・技術を伝えるお菓子教室も開催。
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- 皆さん、お菓子作りを楽しんでいらっしゃいますか?
今回は、卵・粉・砂糖・牛乳などの基本の材料でにっこり美味しいロールケーキを作ります。
レシピも出来るだけ、シンプルに特別に作りました。
皆さんにおすすめしたい材料や道具についてもご紹介しています。
そして、なんといっても素材の混ぜ方、卵の泡だて方に、その味を作るポイントがあることを知ってください。混ぜるという技術がお菓子作りの全てだといっても過言ではありません。動画をご覧頂き、是非これをマスターしてください。1回2回ではなかなか習得は難しいかもしれません。繰り返し練習して頂き、この技術をつかんで頂ければ、お菓子はぐっと美味しくなるはずです。
それでは始めましょう・・・
- バニラの香りいっぱいのアップルロールケ-キ。
こんがり焼けた表面は香ばしく、生地ははふんわり、しっとり。
旬のバニラ入りのりんごのコンポートが手作りならではの美味しさ。
りんごの酸味とクリームのバランスが絶妙な初めての味わいのケーキです。
卵は4〜5分しっかりと泡だて、低速できめを整え、粉を加えて100回程混ぜて生地を完成させます。
粉合わせの際のゴムベラが通る道筋や速さなど、とても重要。
私と同じように行ってください。
そうすることで私が伝えたい味・生地・ケーキが出来あがります。
そしてこれを機会に 生地作りの奥深さを知ってください。
- ・粉はふるっておく
- ・オーブンを210℃に予熱する
(実際に焼く際の温度は180℃ですが電気オーブンでは扉を開けると30〜40℃庫内温度は下がるため) - ・ロールケーキ天板は2枚用意する
- ・天板にに敷き紙をセットする(ふちの高さより1センチ高くなるように切り、四隅に切り込みを入れる)
- リンゴのコンポートを作る。
皮をむき、芯を取ったりんごを八つ切りにし、続いて2センチに切る。<写真1>
バニラビーンズを包丁の背でこそぎ取る。ビーンズとさやのどちらも使用する<写真2>
<紅玉の場合>
水、レモン汁、バニラビーンズを鍋に入れる。そこにカットしたりんごを入れ、グラニュー糖をふりかけたら蓋をして強火にかけ沸騰したら弱火で2分前後煮る。<写真3>
スーと竹ぐしが入るくらいが目安。煮すぎないよう注意する。<写真4>
火を止め、そのまま冷ます。
<サンフジなど紅玉以外の場合>
水、レモン汁、バニラビーンズを鍋に入れる。そこにカットしたりんごを入れ、蓋をして6分〜8分りんごが柔らかくなるまで煮る。そこにグラニュー糖を振りかけて蓋をせず2分〜4分る。スーと竹ぐしが入るくらいが目安。形が残るように、煮すぎないように火を止め、そのまま冷ます。
りんごのコンポートは冷蔵庫で4〜5日、冷凍庫で約1ケ月保存可能です。
- 粉を再度ふるいながら加え<写真2>、1秒間に1回のくらいの速度で大きく混ぜる。
ボウルの時計の2時の位置にヘラを入れ<写真3>、左手は9時の位置でボウルを押さえる。ヘラのヘッジ(先のカーブしている所)をボウルの側面と底にしっかりと当てながら、ヘラがボウルに垂直になるように移動させる。
その際、ヘラの面の中心がボウルの中心を通るようにし、8時の位置まで動かす。<写真4>
ボウルの側面をなぞりながら9時半〜10時の位置の位置でヘラを空中に出す。そこで粉を散らすように素早く上下に振る。<写真5>
そうすることで粉だまが出来にくい。側面をなぞるときに、左手でボウルを反時計回りに7時の位置まで回す。
この動きを35回〜45回繰り返すと粉が見えなくなる。50回程混ぜたところで、工程4で温めておいた牛乳を加え同様に混ぜる。<写真6>
ここから更に50回程混ぜ、最初から数えて全部で約100回混ぜる。<写真7>
(混ぜる回数は混ぜ方によって個人差がでるので調整するようにする。)
- すぐに食べない時や、プレゼントする場合は、表面が乾燥しないようにOPPシートで巻く。
ケーキの両端部分にも形に合わせてカットしたものを貼りつける。 一緒にお好みのオーナメントも入れてあげましょう。
- 薄力粉(バイオレット)
- 今回のお菓子に限らずケーキ作りには薄力粉を使用しますが、私はバイオレットを使用します。
国産の小麦粉に比べグルテンが出にくく、雑味も少なく、すっきりした味に仕上がります。
生地の膨らみもよく、軽い焼きあがりになります。
また、スーパーバイオレットでは、粉の粒子が細かく初心者には粉だまが出来やすいのでここでは使用しません。
→ レシピで先生が使っているのはこちら
- バニラビーンズ
- マダガスカル産バニラを使っております。たっぷりと使ってください。
→ レシピで先生が使っているのはこちら
- ボウル
- 直径20〜21センチの底が平らなボウルを選んで下さい。ホイッパーやゴムベラの力が効率的に伝わり作業性が良くなります。違う形のものを使うとここで指示した時間通りに出来上がらないことがありますので注意してください。
→ cottaの商品ではこちら
- ホイッパー
- 全長約28センチの9号サイズを使います。
→ cottaの商品ではこちら
- ゴムベラ
- シリコン樹脂製の一体型のものを使います。ここで紹介しているイイズカのものが適しています。
一辺が直線を保ち、しなやかさと適度な重さが使いやすいです。
→ レシピで先生が使っているのはこちら
- ロールケーキ天板
- 鉄板にアルミのコーティングをしている、熱の伝導率が程良い、アルタイトの天板を用いています。
ロールケーキの場合、天板は2枚重ねます。同じサイズのものを重ねることで生地のサイド(端の部分)の焼き色がつかず綺麗にしっとりと焼けるので、お薦めしています。
→ レシピで先生が使っているのはこちら
- カード
- ロールケーキの生地を天板の四隅に行き渡らせるために、直角になっている角があるものを使います。
→ レシピで先生が使っているのはこちら
- パレットナイフ
- ロールケーキのクリームを塗るのには、柄のところに角度のついたL字型のパレットナイフが便利です。
→ レシピで先生が使っているのはこちら
- 敷き紙
- ロール紙は焼きあがりの生地に密着するので、焼きあがってから紙をつけたまま保存するお菓子に適します。
→ cottaの商品ではこちら
- ハンドミキサー
- 先が細くなっているものや、ワイヤー制のものはここでは使用していません。先が細くなっていると生地をとらえにくく、理想的な泡が得られない場合もあります。
- ストレーナー(ふるい)
- 専用の粉ふるい、もしくは目の細かいストレーナーを使ってください。ここでは網が2層になっているものを使用。ざるや万能こしきは細かくふるえず、軽く仕上がりません。
→ レシピで先生が使っているのはこちら
- 赤外線温度計
- お菓子作りは、温度管理がとても大事。
瞬時に材料や、生地の温度が測れて、便利です。色々なメーカーで様々な商品が出ています。
→ cottaの商品ではこちら
- OPPシート
- ケーキをプレゼントする時や、保存するときは、ラップよりもOPPシートで包む方が密閉度も高く、乾燥を防ぎ、匂いもつきにくい。
→ cottaの商品ではこちら