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【芸能・社会】

市川森一さん死去 70歳肺がんで 「こういう作品が遺作なら」幸せ

2011年12月11日 紙面から

ドラマの見どころを語っていた市川さん=先月11日(五十嵐文人撮影)

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 NHK大河ドラマ「黄金の日日」や映画「異人たちとの夏」などテレビや映画の脚本を多数手掛けた脚本家の市川森一(いちかわ・しんいち)さんが10日午前4時43分、肺がんのため東京都内で死去した。70歳。長崎県出身。葬儀・告別式は長崎と東京で執り行い、17日正午から長崎市茂里町3の31、法倫会館で、21日午前11時から東京都港区南青山2の33の20、青山葬儀所で。喪主は妻美保子(みほこ)さん。

 日大芸術学部を卒業。1966年に特撮テレビ番組「快獣ブースカ」でデビュー後、「ウルトラマン」シリーズも担当した。脱ホームドラマ・脱リアリズムを掲げ、「太陽にほえろ!」「傷だらけの天使」など人気作を次々と手掛ける。人間の聖と俗を浮かび上がらせた「淋しいのはお前だけじゃない」で第1回向田邦子賞。

 NHK大河ドラマでは「黄金の日日」「山河燃ゆ」「花の乱」を執筆、壮大なスケールの世界を描いた。映画では、山田太一さん原作の「異人たちとの夏」で第12回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、「長崎ぶらぶら節」で第24回日本アカデミー賞優秀脚本賞。最近では、自作の長編小説「蝶々さん」がドラマ化され、話題となった。

 日本放送作家協会会長を務め、“使い捨て”にされるシナリオの保存、管理に向け尽力。テレビのコメンテーターとしても活躍した。2003年にNHK放送文化賞を受賞。先月、旭日小綬章を受けた。

◆終始穏やかな表情

 市川さんは先月11日に東京・渋谷のNHKで開かれた土曜ドラマスペシャル「蝶々さん〜最後の武士の娘〜」完成試写会に出席。主演女優の宮崎あおい(26)らと会見に臨んだ市川さんは冒頭のあいさつで「この年になると1本1本が遺作と思う。こういう作品が遺作になるなら、幸運だな」とコメント。襲ってくる病魔を前に“覚悟”を示唆していた。

 市川さんが脚本を手がけた「蝶々さん」は自作の長編小説が原作。物語の舞台は、市川さんの出身地である長崎だった。会見では談笑も交えながら終始穏やかな表情で、ドラマの見どころを問われると「実在の人物たちがリアルに立ち上がってくる。テレビドラマではめったに味わえない」などと話し、出演者たちの演技も絶賛していた。

 「蝶々さん」は、先月19、26日に放送されたが、NHK−BSプレミアムで今月31日午後1時40分から前・後編があらためて放送される。

 

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