「百目」地域見守って 三好・上名小児童、妖怪モニュメント作り 2011/11/1 10:09
来年3月に休校する三好市山城町上名の上名小学校の全児童8人が、体中に目を持つ妖怪「百目(ひゃくめ)」をモチーフにしたモニュメントを制作している。学校周辺の人目に付きやすい道路上に設置し、「モニュメントに刻んだ目がいつまでも地域を見守っている」というメッセージを後世に伝える。
卒業記念に、数多くの妖怪伝説が残る上名地区の地域資源を生かした作品を制作しようと、佐藤益正(よしまさ)校長(54)と地元の住民団体「四国の秘境山城・大歩危妖怪村」の関係者が「百目」モニュメントに決めた。これまでにも同校は、毎年11月に行われる「妖怪まつり」に、妖怪にちなんだ作品を出展するなど町おこしに協力してきた。
モニュメントの素材は、同町大野の木材搬出会社「秋田林業」から提供してもらった樹齢100年前後のヒノキの丸太(高さ2・5メートル、直径0・4メートル)。丸太に刻まれた約20個の節目を百目の目に見立て、のみを使って節目の周囲を彫る作業を進めている。
児童は、近くの宮大工中山利夫さん(76)から指導を受け、休み時間や放課後の時間を利用して11月下旬ごろまでに仕上げる予定。
佐藤校長は「学校はなくなってしまうが、作品作りが子どもにとって良い思い出になってくれれば」。6年生の竹内遥香(はるか)さん(12)は「見てくれた人の印象に残るような、きれいな作品に仕上げたい」と意気込んでいる。
作品は、同町西宇と上名にまたがり、数多くの妖怪モニュメントが並ぶ「藤川谷妖怪街道」に設置する。
【写真説明】「百目」をモチーフにしたモニュメントを制作する児童=三好市山城町