「真央、反抗期みたい。真央ははっきり言うのよ。あの顔で得しているけれど」と言ったのは08~09年ころ。「もう、ママと練習するのは嫌だ」。浅田選手が涙ながらに反発したこともあったが、やっぱりママは特別な存在。同時期、一生懸命に写真を撮っている浅田選手に遭遇したことがある。「ホテルで待ってるママに見せるの」とうれしそうに話していた。
バンクーバー五輪の後、ママはめっきり姿を見せなくなった。「バンクーバーで燃え尽きたんだって」と、風の噂で耳にした。10年9月、佐藤信夫コーチについてから、ママの話題も出なくなった。
最後に姿を目にしたのは昨年12月の全日本選手権。小さいころから、浅田選手のマッサージはママの仕事。「マッサージャーよ。試合は見ない、見ない」。笑顔で話していた。以降、体調が悪くなっていったのだろう。連絡もとれなくなった。
それと並行するように、浅田選手は車の免許をとったり、めっきり大人びていった気がする。「でも真央ちゃんには大きな存在よ。よーく『ママにも教えてあげなきゃ』って話してるもの」と佐藤久美子コーチ。多分、ママが心配だったのだろう。しかし、浅田選手はそんな感情をおくびにも出さなかった。
(原真子)
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