【ソウル=島谷英明】韓国企業の業績減速が鮮明になってきた。主要147社の7~9月期の連結営業利益は合計25兆1200億ウォン(約1兆7300億円)と前年同期に比べ8.3%減った。ウォン安による原材料価格の上昇や外貨借り入れの返済負担が重荷となった。国内では米欧景気の変調で輸出にブレーキがかかりはじめた10~12月期も業績低迷が続くとの見方が支配的だ。
韓国取引所(KRX)が韓国総合株価指数を算出する「有価証券市場」に上場する12月決算企業のうち、国際会計基準(IFRS)での連結業績を義務付けられている大企業を中心に前年と比較可能な147社を集計した。IFRS導入前の2009年以前の業績との比較はできない。
7~9月期の連結売上高は全体で359兆2000億ウォンと同13.7%増えた。ウォン安を武器に現代自動車や化学大手の湖南石油化学などが輸出を拡大、大幅な増収となった。ガソリンの販売価格上昇でSKイノベーションなどエネルギー関連企業も売り上げを伸ばした。
ただウォン安は輸入に頼る原材料などの価格を押し上げ、コスト増を売り上げ拡大で吸収しきれない企業が相次ぎ減益となった。市況低迷で軒並み減収に陥ったIT分野ではLGディスプレーやLG電子、ハイニックス半導体が赤字。サムスン電子も同12.6%の減益となった。
ポスコなどでは、ウォン安に伴う外貨借り入れや外債のウォン建てでの返済負担が膨らみ、利益を圧迫する要因になった。内需関連では携帯最大手のSKテレコムや流通大手のロッテショッピングが減益となり、建設会社の低迷も続いている。
業績の低迷は今後も続く公算が大きい。韓国の10月の輸出は前年同月比8%増と1ケタ台の伸びにとどまり、先進国向けを中心に鈍化が鮮明になってきた。欧州の債務危機などを背景に需要が伸びず、ウォン安持続による相対的な価格競争力の向上を生かした輸出主導型の業績拡大が難しくなっている。
市場情報会社の調べによれば、上場企業主要95社の10~12月期業績に関する直近のアナリスト予想は、9月末時点の予想数値に比べ売上高を平均0.4%、営業利益を同3.9%下方修正している。
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