iPSで血小板大量に作る技術
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iPSで血小板大量に作る技術

12月11日 5時48分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

体のあらゆる組織や臓器になるとされるiPS細胞から出血を止める血液の成分「血小板」を大量に作り出す技術の開発に京都大学の研究グループが成功し、献血で不足しがちな血小板の確保につながると期待されています。

研究を行ったのは、京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之教授などのグループです。研究グループでは、iPS細胞に特殊なタンパク質などを加えたあと細胞の老化を抑える遺伝子と、細胞を増殖させる遺伝子をそれぞれ一時的に働かせる操作を行ったところ、血小板の元になる細胞が出来たということです。この細胞は増殖する強い力を持っていて、事前に増やして凍結保存しておけば、必要な時に血小板に変えて利用することが可能だということです。血小板は、体の傷口を塞ぐ働きを持つ血液の重要な成分で、手術のあとの輸血などで使われていますが、長期間の保存ができないため、献血だけでは不足しがちでした。血小板を大量に作り出す技術が開発されたのは今回が初めてだということで、江藤教授は「数年以内には臨床研究を行い、実用化できるようにしたい」と話しています。