日本のTPP参加、米に恩恵 自由貿易市場はNAFTA上回る (1/2ページ)

2011.11.11 05:00

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 米国のオバマ政権は、国内輸出業者のアジア市場へのアクセスを拡大するため、環太平洋地域の8カ国と「高水準の21世紀型協定」の交渉を目指していると説明した。デジタルコンテンツ・情報へのアクセスやサプライチェーン(供給網)管理、中小企業競争力、国内規制の協調などの議題が、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を「次世代」貿易協定にすると米国は主張する。

 しかし「21世紀型」のTPP交渉参加国との最終合意に立ちはだかる障害や、合意を受けて行われる米連邦議会の承認手続きにかかる手間は、過去の貿易協定交渉を悩ませてきた、20世紀から続く問題だ。

 交渉の中で、有名ブランド医薬品の知的財産権の保護、労働者の権利や環境への対策、繊維・農業部門での利権が争点として浮上したが、これら問題は1994年の北米自由貿易協定(NAFTA)発効に向けても交渉膠着(こうちゃく)の原因となった。

 米国の貿易交渉団は、オバマ大統領をホスト役に12日からハワイ・ホノルルで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、交渉進展に向けた働きかけをする見通しだ。

 TPPに対する米ビジネス界の反応は当初、鈍いものだった。輸出業者はTPP交渉参加国のうち4カ国へ既に市場アクセスを有しており、ブルネイとニュージーランドとの新貿易協定は、2国の市場規模の小ささから新たな輸出機会は限られると思われた。

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