東日本大震災の被災者支援にと、県鍼灸（しんきゅう）師会（内田輝和会長）は、県内に避難した被災者を対象に、無料の治療サービスを始めた。県内19カ所の治療院で来年３月末まで実施。「疲れや不安を癒すため、気軽に利用して」と呼び掛けている。

　慣れ親しんだ土地を離れて長期間過ごす被災者らが、安心して岡山で暮らせるようにと企画。会員２３０人のうち、趣旨に賛同した治療院に支援登録証を発行し、院内に掲示している。

　利用は１人につき月５回まで。窓口で被災証明書や保険証、免許証など避難前の住所が分かるものを提示すればよい。自主避難者も利用できる。登録治療院は岡山市11、津山、新見市に各２、倉敷、浅口、真庭、瀬戸内市に各１カ所ずつ。

　当初は現地で治療ボランティアを行うことも検討したが、被災地よりも目が行き届きにくい避難先での支援が欠かせないと、８月の理事会で決定。内田会長は「長引く避難によるストレスで、不眠症や内臓疾患、関節痛などを引き起こす心配もある。心身のリフレッシュに遠慮なく利用して」と話している。