長崎県諫早市出身の市川さんは生前、「郷里の皆様へ―感謝と惜別と―」と題した朝日新聞への寄稿を妻の美保子さんに託していた。死去後、この寄稿が公表された。
それによると、市川さんは今年の秋の叙勲で旭日小綬章の受章が決まり、報道各社の事前取材が予定されていた10月27日、急な発熱で入院。検査で左胸にがんが見つかり、そのまま都内の大学病院に転院した。
市川さんは「お世話になったお一人お一人のお顔が目に浮かぶうちに、紙上をお借りして、お礼とおわびとお別れをさせていただきます」と記し、諫早市立図書館の名誉館長や2014年開催の長崎国体アドバイザーといった故郷での仕事ができなくなることを関係者にわびている。最後は「(受章は)県民の皆様方と共に獲得したものです。ありがとうございました」と結んでいる。