福島県の佐藤雄平知事は30日の記者会見で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を受けて年内にとりまとめる県の復興計画に「国と東電に対して県内の原発10基すべての廃炉を求める」と明記することを発表した。計画策定後に国、東電に廃炉を要請する。
会見で佐藤知事は「今回の事故で国、事業者が主張してきた原発の安全神話が根底から覆された」と指摘。「原発を立地して財政的に恩恵を受けてきた以上に、事故は自然、社会、教育にも大きな影響を及ぼしている。原子力に依存しない新生福島を創造するとの決断に至った」と述べた。
廃炉で生じる廃棄物などについては「県内に最終処分場は認めない」との従来の考えを強調。核燃料税や交付金が得られなくなるなどの財政の問題には「税制を精査して取り組む」とした。原発事故で甚大な被害を受けた沿岸部で原発に替わる雇用の創出を進める考えを示した。