ダイエット影響? 現代っ子スリム化鮮明
文部科学省が8日公表した2011年度学校保健統計調査速報で、5〜17歳(幼稚園から高校3年)の女子の平均体重が、1948年度以降初めて全年齢で前年度より減少したことが分かった。男子も大半の年齢で減り現代っ子のスリム化傾向が鮮明になった。
戦後、ほぼ一貫して増え続けていた子どもの平均体重のピークは98〜03年度ごろとされ、近年は減少傾向が続いている。肥満傾向の子どもの割合も高3(17歳)男子以外は全て減り、文科省は「ダイエット習慣の広がりが子どもの体重減少に拍車を掛けているのではないか」とみている。
調査は今年4〜6月、幼稚園と小中高校の健康診断結果から抽出した約65万人の発育データを調べた。東日本大震災の影響で岩手、宮城、福島の3県は除いた。
女子の平均体重は、高2(16歳)が52.4キロで前年度より0.3キロ減となり、他の年齢も0.1〜0.2キロ減った。男子は、小2(7歳)と高3が横ばいだった以外は減少。ピーク時との比較では男女とも0.5〜1.6キロ下がった。
肥満傾向の子どもの割合を都道府県別にみると、高3女子は東京や神奈川、兵庫などが「7%未満」だった一方、北海道や東北、九州で「7%以上10%未満」「10%以上13%未満」が目立ち、大都市圏の自治体より地方が比較的高かった。
子どもの平均身長の伸びは頭打ち状態が続いている。
健康状態では、視力0.3未満の小学生の割合は前年度より0.40ポイント増の7.95%で過去最高を更新、中学生も22.25%で過去2番目の高さだった。
大沢清二大妻女子大教授(行動疫学)の話 ダイエット志向の低年齢化が進んでいるという調査結果もある。こうした傾向が今回の女子の体重減少につながったと考えられる。成長期の痩せすぎは運動能力低下につながり、健康を害する恐れもある。痩せているのが美しいと過度に考える風潮にはブレーキをかけていかなければならない。
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