桐生市教育委員会が10月に行った学校給食食材の放射性物質検査で、県産白菜から微量の放射性セシウムが検出されていたにもかかわらず、公表していなかったことが分かった。市教委は「風評被害などを懸念した」と説明しているが、市民の「知る権利」が制約された形だ。5日の市議会教育民生委員協議会で報告された。
市教委によると、白菜は10月5日、県産チンゲンサイ、長野県産リンゴと一緒にサンプルとして採取し、横浜市内の検査機関に送った。翌6日、白菜から1キロ当たり18ベクレル(暫定規制値=同500ベクレル)のセシウムを検出したが、報道発表文では白菜に一切触れず、チンゲンサイとリンゴについて放射性ヨウ素、セシウムとも「不検出」と記載していた。
非公表の理由について市教委は「県の野菜検査の検出限界値を下回っていたため」と説明。市教委の検査で使った機器の検出限界値は同1ベクレルで、県(同20ベクレル)よりも精度が高いという。また産地からの要望で「風評被害も懸念した」としている。
白菜については「カニ玉」の食材として使用予定だったが、キャベツで代用した。市教委は「食べても問題はないが、子供への影響の低減を図るため」と説明している。
市教委は2学期から月2回、給食の食材検査を実施しており、使用頻度の高い3品目前後を選んで検査機関に送っている。今後はすべての検出結果を公表する方針。【沢田石洋史】
毎日新聞 2011年12月7日 地方版
ウェブサイトが15分で簡単作成、しかも無料で
クルマの最先端が集結
学生は社会で必要とされる力を身につける