男はただ、平和を願った。
白銀はただ、祖国の救済を望んだ。
男はただ、己の歪の正体が知りたかった。
彼らはただ、唯一人の己が知りたかった。
男はただ、一族の悲願の為に杖を執った。
黄金はただ、己の持ち得ない宝物を求め召喚に応じた。
少年はただ、正当な評価を求めた。
赤銅はただ、確固たる己の肉を求めた。
男はただ、とある少女を救いたかった。
狂乱はただ、罪に対する許しが欲しかった。
男はただ、華の人生に栄光を添えたかった。
魔貌はただ、真の忠義を貫きたかった。
青年はただ、この世で最も美しい色が知りたかった。
凶気はただ、心魂を捧げた乙女と今一度巡り逢いたかった。
誰もがただ、己の求め欲するものに命を賭した。
そしてその祈りはただ、誰一人にすら救いを与えなかった。
これはただ──それだけの話だ。
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作品コンセプトはzeroを下敷きにsnで語られた第四次の情報を出来る限り拾い上げる事。
キャスト変更はありませんが、zeroとは一部性格や事情の異なるキャラがいます。
これはsnの方にすり合わせた結果です。ご了承ください。
以上、お楽しみ頂ければ幸いです。