オリンパス“不正のキーマン”消されたのか!飛び交う憶測

2011.12.08


会見で早ければ2月にも退陣すると表明したオリンパスの高山修一社長(奥左)【拡大】

 巨額の損失隠し問題に揺れるオリンパスの高山修一社長は7日、第三者委員会の調査報告を受けて記者会見し、早ければ2月にも現経営陣が総退陣する方針を表明した。旧経営陣に対しては「刑事告発を検討している」という。そんななか注目されているのが、損失隠しのスキーム作成にかかわったとされる金融マンの消息。問題の発覚以降、「所在がつかめていない」(第三者委員会)というのだ。関係者の間では不穏な情報も飛び交い始めている。

 所在不明となっているのは、野村証券OBの金融マン、佐川肇氏。問題となっている、2008年の医療機器メーカー、ジャイラス社の買収で、オリンパスのFA(ファイナンシャルアドバイザー)を務めた人物だ。

 オリンパスは、1000億円超の巨額買収を仕掛けることで、1990年代初頭から膨れ上がった損失を隠蔽。佐川氏が代表をつとめた投資助言会社、アクシーズ・アメリカは、約660億円もの巨額報酬を手にした。

 「菊川剛前会長ら前経営陣とともに、損失隠しスキーム作成とその運用にかかわったと指摘されているのは、いずれも野村証券OBの3人の金融マン。佐川氏はそのうちの1人で、捜査機関も今回の不祥事のキーマンとみて調べています」(捜査関係者)

 ところが、この重要人物の行方が、不祥事の発覚以降、わからなくなっているのだ。

 「佐川氏は最近まで、米国フロリダ州パームビーチで米国人の妻とともに、悠々自適のセミリタイア生活を送っていた。それが先月から突然、音信不通になった。一部の海外メディアが『FBIの捜査官と接触した』と報じましたが、はっきりした動向はいまだに明らかになっていません」(同)

 6日に開かれた第三者委員会でも、前出の金融マン2人に聞き取り調査をしたことを公表。しかし、佐川氏については「所在不明だ」とした。これを受け、関係者の間ではさまざまなうわさが飛び交っている。

 「第三者委員会は明確に否定しましたが、一連の不祥事に絡み、『反社会的勢力にカネが流れたのではないか』との見方も一部にはある。そのため、所在不明の佐川氏の安否を気遣う声も出はじめているのです」(オリンパス関係者)

 不祥事の全容解明という意味からも、佐川氏の所在確認は急務だ。

 

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