UPDATE3: ECB理事会後のドラギ総裁の発言要旨

2011年 12月 9日 01:27 JST
 
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 [フランクフルト 8日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は8日の理事会で、主要政策金利であるリファイナンス金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ1.00%とした。

 下限金利の中銀預金金利も25bp引き下げ0.25%に、上限金利の限界貸出金利も25bp引き下げ1.75%とした。これにより、すべての金利が2009年の過去最低水準に並んだ。

 理事会後に開かれた記者会見でのドラギECB総裁の発言要旨は以下の通り。

 

 <利下げは全会一致ではない>

 利下げは全会一致ではなかった。議論が行われ、多数決での決定だった。

 

 <追加利下げに関してコメントせず>

 (主要政策金利が1%を下回る可能性についての質問に対し)答えは、われわれは決して事前にコミットしないということだ。

 

 <IMFへの融資>

 法的に非常に複雑だ。条約の精神は、条約が定める規定を回避して資金を供給してはならないということだ。IMFがこうした資金をユーロ圏の国債買い入れのみに利用する場合、条約に整合しないと考える。

 

 <債券買い入れは不胎化必要>

 不胎化するということが、証券市場プログラム(SMP)の前提条件だ。

 

 <債券利回り抑制について議論せず>

 (追加措置に関連し、債券利回りを抑制することを理事会が協議したかとの質問に対し)答えはノーだ。協議していない。

 

 <債券市場の緊張>

 債券市場の緊張には、この「協定」に関する2つの柱が欠如していることに起因している。

 1つは国家の経済政策で、これについては過去2週間に多くの国で段階的に整備されつつあるものの、一段の改善が望まれる。

 2つめは欧州連合(EU)による協定の見直しで、こちらは現在進行している。状況を見守る。

 

 <ユーロ圏分裂の可能性に対する用意>

 (ユーロ圏分裂の対応策を用意することは良識的かとの質問に対し)われわれは現実のものとなる可能性は全くないとみている。そうした事態に対し、緊急対策を用意することは全くもって良識的ではない。

 

 <見通しに対する著しい下振れリスク>

 金融市場高まっている緊張により、ユーロ圏の経済活動は引き続き鈍っている。見通しは、強い不透明感と著しい下振れリスクに引き続き左右されている。

 統計では、第4・四半期の成長が弱まることが示されている。ただわれわれは、経済活動は来年を通して回復すると予想している。

 

 <インフレ率は向こう数カ月にわたり2%を上回り続ける>

 インフレ率は、主にエネルギーやその他の商品価格の上昇により、昨年末から高止まりしている。

 インフレ率は向こう数カ月にわたり2%を上回り続ける公算が大きい。その後は2%を下回る水準に低下するとみられる。

 こうしたパターンは、ユーロ圏、および世界的に成長が弱くなっている環境下で、ユーロ圏における基調的コスト、賃金、物価圧力が緩やかにとどまるとの見通しに基づいている。

 

 <デフレの可能性は高くない>

 現時点ではデフレに陥る可能性は高くないとみている。

 

 <新たな流動性供給措置>

 理事会は次のような決定を行った。先ず、2つの長期資金供給オペを実施する。期間は36カ月で、1年後に早期返済する選択肢を付与する。

 これは、銀行セクターの流動性へのアクセスを確実にすること、さらにユーロ圏の短期金融市場が円滑に機能するための措置だ。

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