関西の卸売市場が活性化策を相次いで打ち出している。東京・築地市場をモデルに大阪木津地方卸売市場が場外にすし・和食店が入る施設を開く。駅構内にアンテナショップを開くなど、新しい販売手法に乗り出す動きもある。市場を通さない流通の拡大で、卸売市場の取扱高は減少が続くなど厳しい経営環境の中、活性化策の導入で生き残りを模索する。
木津市場を運営する大阪木津市場(大阪市)は阪神高速地域交流センター(大阪市)と共同で、同センターが市場東隣に設ける建物を“すし・和食横丁”にする計画。市場で購入できる鮮魚や青果物を使った料理を出すすし店や和食店のほか洋食店の出店を期待する。開業時に15店以上の入居を目指す方針で、2013年秋の完成を見込む。
消費者を呼び込むには「東京・築地市場のように多くの飲食店が必要」(大阪木津市場の桑原浩社長)と判断した。入居店に対し料理に使う食材を割安な卸値で直接販売するなどの優遇策も検討する。京都府内のすし店が加盟する府寿司生活衛生同業組合も来年春をめどに京都市の中央卸売市場に「寿司棟」を新設する計画を進めているなど、飲食店が集客の目玉になりそうだ。
神戸市は隣接する敷地に移転した中央卸売市場本場(神戸市兵庫区)の跡地に複合商業施設を誘致する方針だ。年度内にもコンペを実施したい考えで、現在条件を詰めている。市場と新川運河に挟まれた立地で食文化に関連した施設を開設することでにぎわいを創出。市場を含めた周辺地域の集客力を高める。
大阪府中央卸売市場は駅構内の「駅ナカ」などに果物や野菜を卸売市場から直送する形で販売するアンテナショップを作る。卸や仲卸、阪急リテールズ(大阪市)と提携し、9~11月の期間限定で阪急梅田駅構内に実験店を開いた。一日平均で50万円を売り上げるなど好評だったため、常設店の設置を検討している。
また、卸売市場の集客イベントも盛んだ。京都中央市場はカニやアンコウなどを具材にした鍋を1杯200~300円で販売する「鍋まつり」を11月下旬に開催した。木津市場は仲卸業者が月に2回、一般向け市場開放イベントを実施。神戸中央市場でも運営会社のマーケットピア神戸が市場の新鮮な魚を使った料理教室を開催している。
消費の低迷と量販店を中心とした産地直接取引の拡大で、卸売市場での取扱量は年々減少。近畿最大の卸売市場である大阪市の中央卸売市場の取扱量も過去5年で約1割減っている。橋下徹大阪新市長が、市と大阪府が運営する4カ所の卸売市場について、経営改善策を練るよう指示するなど、てこ入れが急務になっていた。各市場は独自の集客策や販売強化策に取り組み、卸売市場の再生にしのぎを削る。
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