東京電力・福島第一原子力発電所の事故を受け、愛媛県などの300人が、これまでの国の基準では原発の安全性が十分に確保されていないなどとして、四国電力に対し、伊方原発のすべての原子炉の運転差し止めを求める訴えを松山地方裁判所に起こしました。
訴えを起こしたのは、愛媛県や広島県、それに東京都など1都15県の300人です。訴えによりますと、福島第一原発の事故によって、これまでの国の基準では原発の安全性が十分でないことが明らかになり、原子炉を設置している四国電力は、現在の科学技術水準に基づいて安全性を立証する必要があるとしています。また、伊方原発の北側には、巨大な断層「中央構造線」があり、大地震を引き起こす可能性があると専門家が指摘しているため、原子炉の安全性を再度審査すべきだとしています。福島県出身で松山市に住む原告代表の須藤昭男さんは「福島の状態を、この愛媛で絶対に繰り返してはならない。事故を起こす可能性がある以上、絶対に運転を止める必要がある」と話しています。一方、四国電力は「訴状を見ていないため、コメントすることはできない。当社としては、現段階で安全は確保できており、運転を差し止める必要はないと考えている」と話しています。