2011年12月8日 20時38分 更新:12月9日 1時4分
福島県郡山市は8日、市内の全小中学生を対象に行った約1カ月間の累積放射線量の第1回測定結果を公表した。10月5日から33日間の平均値は0.12ミリシーベルトで、1年間に換算すると1.33ミリシーベルトとなり、一般人の被ばく上限1ミリシーベルトを上回った。最大値は0.45ミリシーベルトで、1年換算では4.98ミリシーベルトとなる。【太田穣、木村健二】
測定対象は、市内の小中学校と特別支援学校の児童・生徒2万5551人。期間は、同市がバッジ式小型線量計を配布した10月5日から11月6日までの33日間で24時間測定。累積線量の実測値から期間内の自然放射線被ばく相当量0.06ミリシーベルトを引いた。線量測定は引き続き行われている。
測定結果の分布は、0.10~0.19ミリシーベルト=1万5666人(61.31%)▽0.1ミリシーベルト未満=8363人(32.73%)▽0.20~0.29ミリシーベルト=1459人(5.71%)▽0.30~0.39ミリシーベルト=59人(0.23%)▽0.40~0.45ミリシーベルト=4人(0.02%)。全体の94%が0.2ミリシーベルト未満だった。国は大人・子供の区別なく平常時の一般国民の被ばく線量の限度を年間1ミリシーベルトとしている。
郡山市によると、財団法人放射線影響研究所の大久保利晃理事長ら市原子力災害対策アドバイザーに測定結果の検討を依頼。「全員、健康への影響はないレベル」との評価を受けたという。児童・生徒の個人データは8日、保護者に通知された。
同市教委学校管理課は「測定データは、個人の生活記録表と照らし合わせ、被ばく量の低減に生かしてほしい」と話している。
文部科学省は4月19日、福島県内の学校などでの放射線量の目安を年間1~20ミリシーベルトとし、上限値から逆算した毎時3.8マイクロシーベルトを超えた場合に屋外活動を制限する暫定の基準値を設定。その後、校庭の土壌除去などによる除染が進んだことから、8月26日には同3.8マイクロシーベルトの基準を廃止。5月からは、児童.生徒らが学校だけで受ける線量を「原則年間1ミリシーベルト以下」とする目標を掲げている。福島県の1715校・園のモニタリングで、10月の平均値は毎時0.1マイクロシーベルト、学校だけ(1日8時間、年間200日)での線量は年間約0.2ミリシーベルトと予測された。
郡山市の結果について、文科省の担当者は「学校滞在以外の時間も含めた生活全体の線量は高くなる傾向がある。除染範囲の拡大などを通じ子供の線量低減策に努めたい」と話している。
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