＜埼玉中３刺傷＞逮捕の少年、自宅に刃物２０本超

　埼玉県三郷市の女子中学生（１５）が刃物で刺されて負傷した事件で、殺人未遂容疑などで逮捕された通信制高校２年の少年（１６）の自宅から、二十数本のナイフや包丁などが押収されたことが、埼玉県警への取材で分かった。「少年が普段からナイフを持ち歩いていた」という情報も寄せられていることから、県警は動機の解明につながるとみて入手経路を調べている。

　少年は５日午後５時４０分ごろ、捜査員から職務質問を受けた際、バッグ内になた（刃渡り約１７センチ）、ポケットにナイフ（同約１５センチ）を持っており、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕された。少年は当初「護身用」と説明したが、その後「歩いている人を殺そうと思って持っていた」と供述したという。

　県警が５日夜から６日未明にかけて、三郷市内の少年の自宅を捜索したところ、事件で使ったとみられる包丁を含め二十数本の刃物が見つかったという。

　埼玉、千葉両県警は、少年が面識のない女性を刃物で無差別に狙ったとみている。【飼手勇介】

　◇容疑者友人ら「信じられない」

　少年が先月まで在籍していた千葉県内の高校によると、少年は部活動に参加せず活発ではなかったが、長期欠席もなく成績は普通だったという。１１月に自主退学したが、同校は「進路変更が理由で、在学中のトラブルやいじめによるものではない」と説明した。三郷市の事件は退学の前後に起きたとみられる。

　少年を幼い頃から知る近所の人や友人は「逮捕は信じられない」と口をそろえる。

　小中学校で同級生だった男子生徒（１７）は「カードゲームが好きでおとなしかった。そんなことするやつじゃない。怒ったところも見たことがない」と振り返った。別の元同級生（１６）も「中学の時はおおらかで、友達を無視したり絶対しなかった。今日学校で逮捕のうわさを聞いて、みんな驚いていた」と話した。近所の主婦（８３）は「温かい家庭なのにそんなことが起こるなんて」と絶句した。【山本愛】

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