中隊長はふと思った。

他の部隊からの定期宝庫が今日は無いのだ。

まさか、あのカキタレ共のひょうろく玉にでも直撃を食らった訳じゃないだろうな?

彼が通信士官にその疑念を口に出すことは叶わなかった。


無情にも彼の頭に銃弾が飛来し、真っ赤に弾け飛ばしたためだ。

捩れ、肉が弾ける音を残して、彼の頭部が吹き飛んだ。

地面に叩きつけられた体は電気信号の名残かピクピクと痙攣する。

周りの連中も隊長の名を叫ぶことは出来なかった。次々と鉄の暴風雨が彼らの頭へ目掛けて降り注ぎ、アッと言う間に石榴にしていく。

あるものは、肺を頭を撃ち抜かれた。
運の無い者は、砲弾の直撃で跡形もなく飛び散った。


クソッ!何がどうなってんだ!


その答えを、彼らは身を以て知ることになる。

着弾の振動音と共に、何か、嫌な音がすることに観測班が気が付いた。

「何事だ!?」
士官が声を荒げる。

彼らは混乱しているものの、情勢を理解してしまう。



……そんな、馬鹿な!

いや、間違いない。



敵です!敵が、こちらに!




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