経済

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欧州債務危機:支援、IMF融資23兆円拡充 G20資金の活用、検討

 欧州債務危機の拡大を防ぐため、国際通貨基金(IMF)の融資枠を2000億~3000億ドル(約23兆円)規模で強化する案が浮上していることが3日、分かった。主要20カ国・地域(G20)の中央銀行などがIMFに資金を貸し付け、それを欧州支援などに充てる手法などが議論されている模様だ。ただ米国など一部の国には「まず欧州が率先して解決に乗り出すべきだ」との慎重論があり、実現性は不透明だ。

 強化策はIMFとG20各国が調整している。IMFへの貸手は、欧州の中央銀行や、新興国などを念頭に置いているとみられる。IMFは融資枠を拡充し、欧州などに対する支援を強化する。

 IMFは08年のリーマン・ショック後、金融危機に陥った国などに支援するための融資枠を、従来の3倍の7500億ドルに拡大。しかし、欧州向け支援などが相次ぎ、足元の融資余力は4000億ドル規模という。債務危機がイタリアなど欧州の主要国に波及すれば、IMFの現行の融資枠では足りなくなる懸念があるため、拡充が必要か検討を進める。

 IMFは当初、加盟国からの拠出金を増やし融資枠拡充に充てることも考えたが、各国政府・議会の承認手続きが必要で時間がかかる。拠出金負担割合が変動すれば、IMF内の発言権にも影響するため、一部加盟国に慎重論が強い。このため、主要国からの貸し付けで対応する案を模索していた。【山本明彦】

毎日新聞 2011年12月4日 東京朝刊

 

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