ＥＵ／ＩＭＦがアイルランドに850億ユーロ支援へ、ＥＳＭ大枠で合意
［ブリュッセル ２８日 ロイター］ 欧州連合（ＥＵ）と国際通貨基金（ＩＭＦ）は、財政問題で打撃を受けているアイルランドに８５０億ユーロ（１１５０億ドル）の緊急支援を行う。ユーロ圏のソブリン債務危機をめぐるＥＵとＩＭＦによる緊急支援は、ギリシャに次ぐ２カ国目となる。
危機がポルトガルやスペインに波及するのを回避したいユーロ圏１６カ国の財務相は２８日、アイルランドの財政、銀行セクター支援策を全員一致で承認した。
ユーロ圏非公式財務相会合（ユーログループ）のユンケル議長は記者会見で「ユーロ圏の財務相は、アイルランドに融資することがユーロ圏、ＥＵ全体の金融安定確保に資するとの認識で、（欧州）委員会および欧州中央銀行（ＥＣＢ）と一致している」と述べた。
今回、ＥＵは５月に創設した総額７５００億ユーロのセーフティネットを活用。ＩＭＦは２２５億ユーロを拠出する。
アイルランド政府によると、３５０億ユーロが銀行再編に充てられ、そのうちの１００億ユーロで直ちに資本注入する。アイルランド政府も、銀行救済のため１７５億ユーロを拠出する。
緊急融資の残りの部分は、政府財政支援に充てる。融資の金利は平均５．８％。
ＥＵの執行機関である欧州委員会のレーン委員（経済・通貨問題）は、最終的な融資金利は来週まで確定しないが、平均で６％程度になるとの見通しを示した。
アイルランド政府によると、融資期間は平均７．５年。またアイルランドは、政府の予想（２．７５％）よりも慎重な国内総生産（ＧＤＰ）伸び率予想に基づき、財政赤字をＥＵの財政協定で定められたＧＤＰ比３％以下にする期限を１年猶予され、２０１５年とされた。 続く...