東京の寺の僧侶が、知り合いの暴力団幹部が車を購入するのを隠して、代わりにローン契約を結んで車を購入したとして、警視庁は、2人を詐欺の疑いで逮捕しました。暴力団排除の動きが強まるなか、警視庁は、ローン契約を結べない暴力団員に便宜を図ったものとみて調べています。
逮捕されたのは、東京・江戸川区にある廣済寺の僧侶、武田英勢容疑者(48)と、山口組系暴力団幹部、渡邉直樹容疑者(47)です。警視庁の調べによりますと、武田容疑者は、ことし3月、実際には渡邉容疑者が使う車であるのに、自分が購入するように偽って、都内の金融業者とおよそ200万円のローン契約を結び、車を購入したとして、詐欺の疑いが持たれています。警視庁によりますと、車を購入後、寺名義の銀行口座から毎月数万円が金融業者に返済されていましたが、同じ金額が渡邉容疑者から寺の口座に入金されていたということです。暴力団排除条例が各地で施行されるなど、暴力団を排除する動きが強まるなかで、この金融業者も暴力団員と契約を結ばないという社内規定を設けていたということです。警視庁は、ローン契約を結べない暴力団幹部に便宜を図ったとみて、詳しい経緯を調べています。廣済寺のホームページによりますと、寺は江戸時代初期に建てられた禅寺で、およそ350年の歴史があるということです。