4回中盤、亀田興がコーナーでボディーの連打を浴びせて3度目のダウンを奪うと、挑戦者に立ち上がる気力は残っていなかった。地元大阪での3度目の防衛戦は完勝だった。「手応えのあるパンチが決まった」。ロープに飛び乗って、勝利の雄たけびを上げた。
練習してきた左が効いた。1、3回といずれも相手のガードをかいくぐって、強烈な左で相手の顔面をとらえてダウンを奪った。ボディーを重点的に攻められて動きの止まった挑戦者が力尽きるのも時間の問題だった。
胸厚を1年前から3センチアップさせるなど、4戦目となるバンタム級に見合ったパワーを身につけつつある。「力もパンチも乗っていて、今日はバンタムで一番いい出来だった。理想的」。消化不良の試合が続いていた本人は、ほとんど傷のない顔をほころばせた。
しかし、マシアスはランキング12位で世界初挑戦。打たれ弱く、とても歯応えのある挑戦者とはいえなかった。これまでのバンタム級での防衛戦も14位、8位と見劣りする相手ばかり。3階級制覇王者だが、このマッチメークではいまだに本当の力を測ることはできていない。次戦は指名試合の可能性が高く、改めて真価を問われることになりそうだ。(産経新聞)