政府のエネルギー・環境会議で電源ごとの発電コストを計算している検証委員会(委員長・石田勝之副内閣相)は6日、原発の事故費用を1キロワット時当たり0・5円以上とする試算を公表した。立地促進の補助金などを加えると、原発のコストは同10円程度となり、現行政府試算の5~6円から上昇、火力発電並みになる見通しだ。
原発の事故コストについては内閣府原子力委員会が11月、東京電力福島第1原発事故級の発生確率に応じて0・006~1・6円と試算。最大ケースでは原発1基につき500年に1度、重大事故が発生する前提で見積もった。検証委はこれを再検討し「国内で40年に1度」(原発1基につき約2000年に1度)の事故に備えるケースを想定。福島原発事故の推計をもとに1度の事故で5・7兆円の費用がかかるとみなした。ただ、費用推計には中間処理施設などの整備費が含まれておらず、事故費用が1兆円増えれば、発電コストに0・09円上積みされる。検証委は次回13日の会合で各電源のコスト計算結果を提示する方針だ。【宮島寛】
毎日新聞 2011年12月7日 東京朝刊
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