福島市渡利地区の農家のコメから国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題を受け、JA新ふくしまは5日、市内3カ所で農家向けの説明会を開いた。同地区を含む市東部の約400戸が、県から出荷自粛要請を受けており、参加した対象農家計約300人からは県などへの不満が続出した。
同市岡部のJA支店で開かれた説明会では、参加者から「基準以下のコメも食べずに保管しなければいけないのに、親戚に送った縁故米は回収しなくていいのか」「どの水系の田が汚染されているのかはっきりしないと、来年のコメ作りができない」などと、あいまいな安全基準運用や原因究明の遅れに不満の声が相次いだ。
JA新ふくしまの菅野孝志専務理事は「(10月に)二本松市の汚染が分かった段階で了知できたのではないかと残念でならない。来年度のコメ作りがきちっとできる方策が必要」と述べ、国や県に対応を求めていく考えを示した。
渡利地区の羽田良一さん(73)は「野菜にも風評被害が広がっている。東京電力の賠償も一部しか支払われず、行政の対応も遅い」と出口の見えない被害の広がりに肩を落とした。【乾達】
毎日新聞 2011年12月6日 地方版
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