粉ミルク撤去、返金作業追われる　セシウム検出で県内取扱店

（2011年12月7日午前10時11分）

粉ミルクからセシウムが検出された「明治ステップ」を商品棚から撤去する従業員＝６日、福井県坂井市内の量販店

　明治製粉ミルク「明治ステップ」から微量の放射性セシウムが検出されたことを受け、福井県内の取扱店では問題の商品を店頭から撤去したり、返金に応じることを決めるなどの対応に追われた。

　県内４１店を含む全７８店で取り扱っているというドラッグストアのゲンキー（本社坂井市）は、午後になって取引先の卸業者から連絡を受けた。仕入れ量や販売量は不明だが「粉ミルクの主力商品」（同社）という。

　各店舗には、８５０グラム缶は賞味期限にかかわらず店頭から回収するよう指示、問題の商品を購入した人にはレシートがなくても商品と引き換えに返金することを決めた。賞味期限が該当しない商品もレシートがあれば返金するという。

　食品スーパーのハニー（本部福井市）では県内３店で取り扱っており、賞味期限に関係なく店頭から撤去した。県内外１９店舗で６００個以上を扱っていた別の量販店も、夕方に全てを回収する作業に追われた。

　福井市内の量販店を訪れていた福井市の大形可奈子さん（２７）は、１１カ月の次男に２週間に１缶のペースで与えている。「線量が低くパニックになるまでには至らないが、やはり不安。しばらくは商品を変えます」と話していた。

　県は「暫定基準値を下回っており、安全性に問題はない」（医薬食品・衛生課）として流通状況などの調査はしない方針。市立保育園３４施設中２８施設にゼロ歳児がいるという福井市は「県などから連絡はなく、インターネットのニュースで知った」（保育課）と困惑。使用する粉ミルクのメーカーは園児ごとに異なるといい「暫定基準を下回っていても保護者は不安だろう。使用状況を把握し、問題の商品があれば交換したい」と話していた。