韓国最大規模の工業地域である蔚山市の石油化学コンビナートや竜淵工業団地の一帯で、6日午後1時59分から最短で15分、最長42分間にわたって停電が発生し、SKエナジー蔚山工場など135の工場で操業が中断した。
また、工業団地周辺の商店街や住宅など約400カ所でも停電が発生し、小規模な工場や商店街では午後2時14分から、SKエナジーなど大規模な工場では同41分から電力の供給が再開された。
工業団地内の業者の関係者たちは「石油化学工場の工程の特性上、操業が正常化するまで7-15日ほどかかるため、生産額にして1000億ウォン(約69億円)以上の損害が予想される」と話した。
停電の原因は、工業団地に電力を供給する蔚山市南区の竜淵変電所に新設された設備の異常だったことが分かった。韓国電力公社蔚山支店は「自主的な調査の結果、今年9月に竜淵変電所の送電線の容量を増やすために設置した設備(GIS)を点検した際、誤作動によって停電が発生した」と発表した。同支店は正確な原因を究明するため、問題の設備を納品した業者の立ち会いの下、詳しい調査を行っている。この日の停電で、竜淵変電所の2本の送電線(15万4000ボルト、2万2900ボルト)への電力供給が中断したため、バスプ・コリア蔚山工場、ハンジュ、KPケミカルなど、石油化学コンビナートの主な工場6カ所を含め、同コンビナートや竜淵工業団地の工場計135カ所で操業が中断した。
SKエナジー蔚山工場は「約40分にわたって停電が発生し、精油工場の設備の半分以上や石油化学工場の大部分の操業が中断したため、大きな被害が出た。現時点では、正確な被害額は算定できない。いつから操業を再開できるかによって被害額は変動し得る」と説明した。