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あなたは「話を聞くだけ」の上司になっていないか 部下がダメ出ししたい“目標・タスク管理”の甘さ

ダイヤモンド・オンライン 11月15日(火)8時28分配信

あなたは「話を聞くだけ」の上司になっていないか 部下がダメ出ししたい“目標・タスク管理”の甘さ
マネジメントスキルの要素
 信頼できる上司の条件として、「話をよく聞いてくれる」点を挙げる人は多いだろう。それを受けて、上司の側としても、部下の話を聞くことに重点を置く人は少なくないはずだ。しかし、あなたは「話をよく聞いてくれるだけの上司」になってしまっていないだろうか。

 25〜39歳のビジネスパーソンを対象にした調査から浮かび上がったのは、上司側の想像とはかけ離れた“意外な上司像”だった。

 調査はインテリジェンス(東京都千代田区)が、関東、関西、東海地域在住のホワイトカラー系正社員、25〜39歳の男女に実施。調査日は2011年3月1日。調査方法はインターネット。有効回答数は800件。

 調査では、直属の上司のマネジメントスキルを10項目に分け、それぞれ10点満点で評価してもらった。すると、最も平均点が高かったのは、「傾聴スキル(部下の報告、連絡、相談にしっかりと耳を傾けられているか)」(5.37点)。「部下の話を前向きに聞き、すぐに行動に移してくれる」(男性/26歳)などのコメントが寄せられた。

 そもそも最も平均点が高い項目ですら10点満点中5.37点というのはややさみしい気もするが、それは置いておくとして、問題が発覚したのが上司から部下への「情報伝達」についてだ。部下の話を聞く傾聴スキルは最高点だったにもかかわらず、「伝達スキル(組織内に必要な情報の共有、伝達が適切に行われている)」は4.86点に留まった。

 コミュニケーションの基本は聞くことと話すこと。聞くことは合格点でも、上司は自らの考えや共有すべき情報を発信してくれていないと感じているビジネスパーソンは少なくないようだ。「なんでも相談して」という上司に向かって、「その前に、必要な情報を下に下ろしてほしい」と部下は考えているのかもしれない。

 また、評価点でワースト1位・2位となったのは、「目標達成(目標達成に向けた、道筋や手段の提示ができているか)」(4.40点)、「タスク管理(組織のタスクを、適切な分担・スケジューリングで管理できているか)」(4.44点)。それぞれ、「問題解決への道筋を明示してほしい」(32歳/男性)、「業務配分に偏りがあり、全体を把握した上で分担してほしい」(27歳/女性)といったコメントが寄せられた。

 そもそもマネジメントは、組織の目標達成のためにあることから、「目標達成」が課題となることは不自然ではないが、そのための「道筋や手段の提示」までが不十分とされてしまっている。上司側からは「少しは自分でも考えてほしい」という声が聞こえてきそうだが、部下側としては「上司の強力なリーダーシップに頼りたい」「そもそも意見をしても聞いてもらえない」などの言い分があるのだろう。

 タスク管理については、部下の仕事状況をどこまで把握できているかが鍵となる問題。得点の高かった「傾聴」がただ聞くだけで終わっていて、「把握して管理に活かす」ことにつながっていない結果とも言えるだろう。

 調査ではこのほか、業種・職種・企業規模別の得点も発表されている。

 上司からすれば意外な結果ともいえる部下による「上司のマネジメントスキル評価」。部下のスキルに問題を感じている人も、ときには部下から“採点”を受けてみてはどうだろうか。

(プレスラボ 小川たまか)

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最終更新:11月15日(火)8時28分

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