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週刊・上杉隆
【第199回】 2011年11月11日
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上杉 隆 [ジャーナリスト]

「ただちに影響はない」は限られた場合の話だった!?
枝野前官房長官の“問題発言”と“政治家としての責任”

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何をどれだけ食べても飲んでも
「ただちに影響がない」わけではなかった!?

 おととい(11月8日)、枝野幸男前官房長官は、言ってはならないことを言ってしまったようだ。

 衆議院予算委員会の席上、自民党の村上誠一郎衆議院議員の質疑に対する答弁の中で、枝野氏の問題発言は明らかになった。

 「わたくしは3月11日からの最初の二週間で、39回の記者会見を行っておりますが、そのうち『ただちに人体、健康に害が無い』ということを申し上げたのは全部で7回でございます。そのうちの5回は食べ物、飲み物の話でございまして、一般論としてただちに影響がないと申し上げたのではなくて、放射性物質が検出された牛乳が1年間飲み続ければ健康に被害を与えると定められた基準値がありまして、万が一そういったものを一度か二度摂取しても、ただちに問題ないとくり返し申し上げたものです」

 開き直りもここまでくると見事である。

 仮に、一般論としての述べたのでなければ、なぜ一般論として報じ続けたテレビ・新聞などの記者クラブメディアに抗議を行わないのか。

 それこそ、国民の健康に害が及ぶ可能性のある「誤報」に対して、速やかな訂正を求めるのは政治家として当然の義務ではないか。しかも、それは自分自身の発言が根拠になっているニュースでもある。枝野氏が本当に、そう思っているのならば、大手メディアに対して訂正要求があってしかるべきだ。

 ところが、実際は、枝野氏はまったく逆のことをしでかしている。

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上杉 隆 [ジャーナリスト]

1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 最新刊は、『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著)『放課後ゴルフ倶楽部』『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)

 


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