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「異様な進化」遂げる日本の恋愛 AKBオタクが“搾取”されても片思いを続ける理由

ねとらぼ ねとらぼ:記事一覧 2011年12月6日(火)19時17分配信
平野啓一郎さん

平野啓一郎さん

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 初音ミクのような実在しない存在を“嫁”と呼び、AKB48のようなアイドルにかなうことのない片思いを募らせる。この奇妙に発達した日本の恋愛は、どのような構造で成り立ち、どのような意味を持つのだろうか。

【写真:セッション会場は立ち見がでる盛況ぶり】

 批評家の濱野智史さん、小説家の平野啓一郎さん、アニメ脚本家の櫻井圭記さんなど6人のパネリストが慶応義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の研究発表イベント「Open Research Forum 2011」で、「アーキテクチャとしての恋愛」と題したセッションを行った。本稿ではセッションからAKB48の話題を中心にお届けする。

●「AKB」には異様に進化したアーキテクチャがある

 濱野さんが「最近、やばいものがあると気付きまして」と話しながら議題に出したのはAKB48だ。自身も北原里英さんのファンで、握手会に参加するため12月発売のシングルを10枚ほど予約していると話す。北原さんは6月に行われた「総選挙」(AKB48 22ndシングル選抜総選挙)で13位だった。12位までのメンバーは「メディア選抜」として優先的にメディア露出をさせてもらえるため、「13位か12位かでものすごく人生の差が生まれてしまう」という。

 12位だった高城亜樹さんとの差は3052票。「それだけの差で(好きな子の)人生が変わるんだったら俺も投票しないといけないかなと思い(投票券が付いたCDを)20枚、30枚と買ってしまう。そういう搾取の仕組みがあるわけです」

 あえて「搾取」という言葉を使う濱野さんだが、AKBのすごさは、“AKB商法”などと言われる批判をメンバー自身がかわしてしまうところにあるという。「総選挙で(2位の)大島優子さんが、『私たちにとって、票数というのはみなさんの愛です』と言って、AKBアンチからの批判を一気に“AKB愛”として(否定し、そのやり方を)大肯定させてしまった」

 一方で、総選挙1位の前田敦子さんについて濱野さんはこう語る。「僕はあっちゃん(前田敦子さん)かわいいと思ってますけど、ネットでは顔面センターとか浜ちゃんに似てるとか言われて叩かれている。あっちゃんは情報化社会でエゴサーチとかして知っているわけですね。そのことを。で、(総選挙で)何を言ったかと言うと、『私のことが嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください』と泣きながらしゃべって、会場のAKBオタは大絶叫した」

 なぜ、AKBのファンは自分たちが「搾取」されていることを認識し、AKBのメンバーたちは自分たちの商売が「AKB商法」と批判されていることを認識しながら、お互いに愛で結ばれているのだろうか。濱野さんはそこにAKBならではのアーキテクチャ(仕掛け)があると説明する。

 「ユルゲン・ハーバーマスっていう社会哲学者に言わせると、“システム”と“生活世界”は相容れない。愛というのは生活世界だけの問題で、システムというのは機械的に運営されていて、全然愛に満ちていない。こういう対立があるんですが、AKBの場合、この2つを握手会とか選挙っていう仕組みでくっつけてしまうことで、本気になりやすい環境がアーキテクチャとして作られている。それによって大島優子や前田敦子のような、謎の責任感を持つ主体が生まれる。そして、コミットする信者・オタが生まれるというある種カルト的な状況が生まれる」(濱野さん)

●松田聖子の時代より片思い感が増している

 AKBについて熱く語る濱野さんに、櫻井さんが「僕はかつてモーオタ(モーニング娘。オタク)だったんです」と参戦。実体験から、アイドルに片思いする構造を騎士道に例える。

 「騎士道の恋愛対象というのは、自分の上司の奥さんだったりする。でも、上司の奥さんが特別きれいだからっていうわけではないんです。上司の奥さんであるという属性が、絶対に届いてはいけないという構造になっているからいい。AKBはそれを意識的に構造化していて、握手はできるし『誰々さん、ドラクエクリアできましたか?』とか言われるわけです。覚えていてくれたんだっていう。そういうことがあると、松田聖子のような時代のアイドルよりも、もっと片思い感が増しているわけです。届かないことは分かっていて、その上で届きそうで届かない感じがうまく演出されている」(櫻井さん)

 AKBは、その届きそうで届かない片思いを、握手会や総選挙によってうまくゲーム化していると濱野さんは指摘する。「世界中で革命なりデモなり暴動なりが起きていて、なんで日本の若者はそういうことやらねーんだっていう話があると思うんですけど、AKBとかあったらこっちのほうが面白いと思いますよ」

 しかし、平野さんはこの構造が疑問だと言う。「プライベートでデートできるわけじゃないし、セックスするわけでもない。そこに不満が残るんじゃないかなって感じがものすごくする」。平野さんは恋と愛の違いについて「恋は短期的に燃え上がって、あの人のことを好きだと思う状態。愛は関係の継続性に関わるもの」と説明している。

 「人間は恋にものすごく燃え上がって、あの人が好きだと思っているときは、その人と結ばれて継続する関係性を夢見ている。愛の状態になってずっとその関係性が続いていると、ときどき瞬発的に燃え上がるような恋の感情を味わいたくなって、不倫したりとか、どこか旅行に行って恋心を燃え上がらせるとか工夫しなくちゃいけない。シーソーみたいに、恋は愛に発展するし、愛がずっと続いてると恋に揺り戻しがあるっていうのがずっと起こっているのが人間なのではないかと考えている」(平野さん)

 恋と愛を行き来しているのが人間の恋愛であるなら、AKBのファンたちはなぜ片思いの状態でとどまり続けることができるのだろうか。櫻井さんは恋と愛とは別の恋愛感情として、“萌え”が存在しているのではないかと指摘する。

 「萌えって言うのはですね。燃焼のBurnじゃないんですよ。燃えちゃだめなんです。それは、むにゅって心の中に生まれた萌芽のようなものをね、愛(め)で続けるんですよ。それは花開いちゃだめだし、ましてや燃えちゃだめ」(櫻井さん)

●AKB的なシステムが日本社会を良くする?

 濱野さんは、1人の人と添い遂げるという従来の恋愛観は崩れつつあるとし、その原因の1つに情報技術の進展があると話す。

 「情報技術の発達で、ちょっとグッとくるぞっていうのはエロ画像とか萌え画像とかいくらでも検索できる仕組みになっていて、オタクたちはいくらでも俺の嫁とか見つけられる状況にある。愛にいたっては、“永遠にあなたを愛しているよ”とか、“私のこと本当に愛しているの?”って証明する必要があるんですけど、情報技術の発達によってすごく監視みたいなのがしやすくなっている。Facebookでチェックするとか、mixiで恋愛ストーカーとかできる。今年だとカレログというアプリが話題になって、彼氏のAndroidに忍ばせておくと、彼氏がどういう行動をとっているかが丸見えになってしまう。こういうのが普通に出てしまっている状況というのが情報化社会における恋愛の状況としてある」(濱野さん)

 そして濱野さんは、日本社会では恋愛が「異様な進化を遂げ続けまくってしまって」、AKBのような既存の恋愛を超えた“謎のシステム”がどんどん生まれていると話す。「これって何か使えないものなのかってのが僕の関心としてあります。それが何に使えるのかさっぱり分かりませんが」。例えば、「若者たちがますます恋愛し、少子高齢化を避けられる社会が作れないものか」と語る濱野さんに、櫻井さんが「大島優子の“わたしと赤ちゃん作らない?”は?」と聞くと、「あれはあれで笑った。すばらしいと思う」が、「少子化対策にはならない」と答える。

 「むしろ少子化を推進してるだけですね。あんなことやってるから草食男子とか『AKBオタきもい』とか言われて、片や女性は韓流男子に引かれていくっていう阻害ばっかりが起きている。何とかそうじゃない方向でこれら(AKB的なシステム)のイノベーションを使えないものかなと考えています」(濱野さん)


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Twitterの反応 25
つぶやき

  • @hakusairou_gien

    俺が童話の人魚姫に恋しちゃいけないのかよ!!

  • @zawa_orz

    ファンなんて基本片思いだろJK

  • @ma_sapo

    アイドルは豚どもから搾取したお金で特定のイケメンと遊びに行ってるのだけれど それでもいいのかしら?

+ <「異様な進化」遂げる日本の恋愛 AKBオタクが“搾取”されても片思いを続ける理由> http://nico.ms/nw158268 #niconews
  • @faronogandam

    すごくどうでもええ

  • @yoshihiro446

    これもゲームのノウハウ!

  • @super_yosshii

    批判云々は置いといて、これで日本の経済が良くなるならOK!

  • @tetsu_akira

    そうだよ(便乗)

  • @BLineDisaster

    女性は韓流男子に引かれていってないと思いますが・・・

  • @masasizaki

    一般AKBファンとしてAKBヲタには是非頑張ってもらいたい

  • @AM_Sho5san

    φ(..)メモメモ

  • @teruteru30_34

    www

  • @kurosakiakira

    気持ち悪い

  • @yoshikta

    アーキテクチャ() イノベーション() 痛々しい現実を痛々しく解説するとこうなるのだね

  • @CVo_oWg

    きんもーっ☆

  • @keepweep

    説得力抜群。>「萌え」は「むにゅって心の中に生まれた萌芽のようなもの」「愛で続ける」「花開いちゃだめ」「ましてや燃えちゃだめ」

  • @Chienssu

    こういうことを真面目に学問としてやる母校が大好きですwww

  • @nakata_tomo

    この議論だと「恋愛感情代行業」としてのアイドルしか論じてないんだが、AKBの場合その中に「アーティスト」が混じってるから複雑。

  • @bick0911

    納得。「萌え」は「むにゅって心の中に生まれた萌芽のようなもの」を「愛で続ける」ことで「花開いちゃだめ」「ましてや燃えちゃだめ」

  • @ikari_funga

    なんだか誤解を生みそうな記事だな

  • @NovajaZemlja

    思うんだがCDの握手券とか投票券10枚に1枚くらいのランダム封入にしたほうがもっと売れるんじゃないのか

  • @9uintea77

    萌えは「むにゅって心の中に生まれた萌芽のようなもの」すげえ納得した

  • @onlyn1c0top1c

    売り上げのために何十枚も同じCDを買い、ゴミのような金額で中古屋で売る(or捨てる)涙ぐましい搾取根性ですよね

  • @kimowota_sama_G

    そんなもんかねえ・・・。

  • @soon_real_Dr

    AKB商法が良くするのは、AKB商法で儲ける奴等の懐具合だけ。

  • @sticknumber31

    AKB商法が日本を良くするわけねぇだろカスが。

  • @tumugite

    なんとなくAKBについてはわかるし同意できるな。なんかファンとそうでない人たちの断層がめちゃくちゃ大きいよねぇ・・・

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